山陽新聞デジタル|さんデジ

毎年、年の瀬に話題を提供する「…

 毎年、年の瀬に話題を提供する「新語・流行語大賞」。7年前、30年に及ぶ歴代の作品の中から傑作十選を市民アンケートで選んだ中に「亭主元気で留守がいい」があった。テレビCMで使われた1986年の入選作だ▼聞く人をくすりとさせ、少なからぬ共感を呼んだそのフレーズを、悲しい気持ちで思い出させるような事態が世界各地で起きている。原因は新型コロナウイルスの感染拡大である▼外出禁止などの規制が広がり、家族が顔を突き合わせる時間が増えたことで、家庭内暴力(DV)が目立っているという。米国では上院議員らが被害者保護を政府に求め、オーストリアでは救援用の24時間ホットラインを充実させる▼日本も例外ではない。「在宅勤務になった夫がストレスから暴力を振るう」といった声がDV被害者の支援組織に寄せられている。菅義偉官房長官はきのう、相談体制の拡充など支援強化を検討する考えを示した▼ちょっとした言い合い程度ならウイルスのせいにして仲直りもできようが、暴力は許されない。もちろん、一緒に過ごす時間を上手に生かしている家庭が大多数と思いたいが▼コロナ禍の広がりで仕事が激減するなど経済的打撃を受けた人や企業への新たな救済策が動きだす。家庭内の悲劇はつい見過ごされがちだが、何とか救済の手だてを講じたい。

(2020年04月08日 07時30分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ