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学校再開 安心し学べる環境整えよ

 年度を終える前に突然、学校生活を断たれた子どもたちは、再開を心待ちにしていたことだろう。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため春休み前から続いていた学校の一斉休校が終わり、全国の多くの自治体で始業式や入学式が行われている。

 ウイルスを持ち込まない、広めないという認識をしっかりと共有し、子どもたちが安心して学べる環境を整えることが重要だ。

 安倍晋三首相の要請により、一部の地域を除く大半の教育委員会が小中高校などの休校に踏み切ってから1カ月余りたつ。新年度を迎えるに当たり文部科学省は、感染状況に応じて学校を再開するかどうかを判断する際のポイントなどを示していた。

 都道府県、政令指定都市、県庁所在市が対象の共同通信のまとめ(3日現在)では、これにのっとり計98自治体のうち岡山県、岡山市など約8割が公立小中高校などを再開する。一方、感染拡大の勢いが強い東京都、横浜市など約2割は休校延長を決めた。

 岡山県内では総社、赤磐、玉野の3市が、年度替わりで転入者が多くなることなどを考慮し、再開を1週間程度先延ばしする。倉敷市は、再開はするものの当面は児童生徒がグループごとに1日おきに通学する「分散登校」とするといった手だてを講じた。

 ただ、今後の感染状況によってはどの地域でも再休校はあり得る。東京、大阪など7都府県に対する「緊急事態宣言」が今日にも発令される予定で、学校再開についても方針転換する自治体が増えるなど混乱が続いている。

 ウイルスの脅威は収まる気配を見せず、岡山県内でも新規感染者が相次ぐ。最近になって若年層でも感染すれば重症化する可能性があることも分かってきた。さらに気を引き締めて「三つの密(密閉、密集、密接)」を避ける努力を続けたい。

 異例の一斉休校により自宅学習などを続けてきた子どもたちの学習状況、ストレスや日々の体調への目配りも欠かせまい。年度初めと重なり教職員の負担は少なくないが、PTAや各家庭とも連携して取り組んでいきたい。

 大切なのは、いかなる状況においても子どもたちの「学びの機会」を保障することである。

 国は2023年度までにすべての小中学生が学校で1人1台のパソコンを使える環境づくりを進めている。休校が長期化する中、家庭へ持ち帰って活用できるよう通信機器を貸与することなども本格的に検討を始めた。できるだけ早期の実現が望まれよう。

 ウイルスとの闘いは長丁場となる見通しだ。各教委や学校はあらゆるケースに機敏に対応できるよう十分に備えておく責任がある。国の方針に一律に委ねるだけでなく、それぞれの実情を踏まえて地域の教育を支えていく覚悟を持たなければならない。

(2020年04月07日 08時00分 更新)

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