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きょうは二十四節気の一つ「清明…

 きょうは二十四節気の一つ「清明」。万物が清らかで、生気にあふれるころとされる。暦の通り、降り注ぐ陽光や咲き誇る桜がまぶしい▼季節の移ろいを約15日ごとに区切った二十四節気をさらに細かく約5日ずつに分けた七十二候では「玄鳥(げんちょう)至る」のころだ。玄鳥はツバメ。今年もさっそうとした姿で飛び交う様子が見られるようになった。春に南方から渡ってくる理由の一つとされるのが繁殖だ▼子育てするためには、自らが食べる餌に加え、ひなたちに与える多くの餌が必要となる。日本では春になると、熱帯地方の南方よりはるかに大量の虫が一度に発生する。これをひなに食べさせるため渡ってくる(北村亘著「ツバメの謎」)▼餌を巣に持ち帰った親は、一番早く鳴いたひなに与えるという習性もあるそうだ。他のひなに比べ、よりおなかのすいたひなは餌をもらおうと真っ先に口を開けて鳴く。こうして巣の中に何匹もいるひなに均等に餌をやれるのだという▼歌人の窪田空穂の短歌に〈つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて空あをあをとはるかなるかな〉がある。つばくらめはツバメの別名。鮮やかな青空に吸い込まれるように飛んでいるのだろう▼大空を舞台に、方向を自在に変えて滑空するさまは見ていてすがすがしい。厄介な疫病禍で沈む気分をひととき忘れさせてくれる。

(2020年04月04日 08時00分 更新)

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