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常位胎盤早期剥離とは?

2018/09/13 15時04分 更新

Q:分娩(ぶんべん)が終了するより早い時期に胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離という病気があると聞きました。

A:100~200例の分娩に1例の頻度。高年妊娠の増加などで近年上昇

 常位胎盤早期剥離は子宮体部に付着している胎盤が、胎児が娩出される前に子宮壁から部分的あるいは完全に剥離する疾患です。100~200例の分娩に1例の頻度と言われています。高年妊娠の増加とそれに伴う妊娠高血圧症候群の増加などによって近年上昇しています。

 原因は妊娠高血圧症候群、前期破水、短い臍帯(さいたい)が引っ張られる、打撲―などがあげられます。さらにリスク因子としては、以前にこの病気になった人、高年妊婦、多胎妊娠、羊水過多などがあります。経過は、胎盤がはがれてできる後血腫(けっしゅ)が増大し、子宮接着面の50%以上が剥離した場合、胎児死亡の可能性が高くなります。さらに胎盤に含まれる組織が母体の血中に流入することにより血管内で血液凝固し、DICといって血管の中で血栓ができて臓器不全を起こしたり、血液が固まりにくくなったりします。このため出血が止まりにくくなり母体が危険となります。

 検査としては経腹超音波で胎盤が厚くなったり血腫像が見えたりする場合があります。その他胎児心拍モニターで徐脈やサイン曲線ようの心拍を認めたりします。症状は剥離の程度や進行速度によって異なります。剥離が進行すると胎児死亡を来し、異常な腹痛を伴って腹部が板のように硬くなります。早ければ症状が現れた数時間後にはDICが発症します。治療としては胎児が生存している場合は胎児を娩出することが必要です。DICの治療および輸血を行い、緊急帝王切開を行います。

先生紹介

  • 高知利勝 先生

    岡南産婦人科医院
    岡山市南区平福2-6-43
    086-264-3366
    岡南産婦人科医院院長。医学博士。岡山大学医学部卒業、岡山赤十字病院、広島中電病院を経て平成3年岡南産婦人科医院勤務、現在に至る。

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