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咽頭と扁桃

2018/09/13 15時03分 更新

 咽頭は鼻腔(びくう)の奥の上咽頭、開口すると見える中咽頭、食道と喉頭の入り口に最も近い部分の下咽頭の3つに分けられます。咽頭に分布するリンパ組織は上咽頭の咽頭扁桃(へんとう)、耳管扁桃、中咽頭の口蓋(がい)扁桃、舌扁桃などがあります。

鼻や口からウイルスなど侵入
扁桃はこれを防御する免疫臓器


 鼻や口から細菌、ウイルスなどが侵入しますが、扁桃はこれを防御する免疫臓器です。また、ターゲットになる感染臓器でもあり、急性、慢性炎症を来します。咽頭炎の多くは中咽頭で起きています。

 咽頭扁桃(アデノイド)は5~6歳で最大に肥大しその後萎縮し、思春期以後に瘢痕(はんこん)ようになります。アデノイド増殖症になると鼻づまり、耳管機能障害による滲出(しんしゅつ)性中耳炎、いびき、睡眠時無呼吸症候群の原因になります。

 一般的に扁桃といえば最大の口蓋扁桃を指しています。思春期に最大となり以後縮小していきますが、口呼吸が続くと慢性炎症のため扁桃肥大の成人をよく見ます。咽頭痛を訴え咽頭粘膜や扁桃の発赤、腫脹(しゅちょう)をみると急性咽頭・扁桃炎と診断できます。細菌感染で多いのは連鎖球菌属で、その中で発熱、咽頭痛など強い炎症症状を伴うものは溶連菌に起因しています。小児で10~20%、成人で5~15%と言われ以前よりかなり減少しています。

溶連菌感染症に
抗生剤投与は5~10日間必要


 溶連菌感染症の代表的な症状は、発熱(38~39度)とのどの痛みです。手足に赤い発疹、舌にイチゴのようなブツブツができます。迅速抗原キットの細菌検査で5~10分で判定できます。適切な抗生剤投与で24時間以内に感染力はなくなるため、それ以降は通園・登校可能です。せきやくしゃみによって近くの人に飛沫(ひまつ)感染します。発熱、のどの痛みが消えても、急性糸球体腎炎、リウマチ熱などの続発症につながることがあるため、抗生剤投与は5~10日間絶対必要です。

 年4回以上急性扁桃炎を繰り返す反復性扁桃炎は扁桃摘出術の適応になります。扁桃が原病巣になり二次的に掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症、IgA腎症、胸肋鎖骨過形成症を引き起こす時は、扁桃摘出術が有効になります。

先生紹介

  • 川上晋一郎 先生

    川上耳鼻咽喉科・アレルギー科
    岡山市南区箕島1273-6
    086-281-3939
    川上耳鼻咽喉科・アレルギー科 院長 医学博士。岡山大学医学部卒業。広島日赤・原爆病院、筑波大学耳鼻咽喉科講師、岡山大学耳鼻咽喉科講師を経て、1991年開業、現在に至る。日本耳鼻咽喉科学会専門医。

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