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外傷性脳損傷 幹細胞移植で再生 岡山大病院、秋にも治験開始

2017/08/19 23時45分 更新

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は交通事故などで頭にけがを負って手や足のまひが残った「外傷性脳損傷」の患者の脳内に、骨髄由来の幹細胞を移植し、機能の回復を図る再生医療を今秋にも始める。日米共同で行う臨床試験(治験)の一環で、国内では東京大病院などが参加している。先行する米国での脳梗塞の治験では効果が報告されており、回復が難しいとされる脳損傷の新しい治療法になる可能性がある。

 岡山大は大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科で長年、脳疾患などの再生医療を研究。同科の安原隆雄講師が約10年前、留学先の米国で、今回使う幹細胞に関する基礎研究に携わった縁で治験に加わった。

 日米とも移植に使うのは、健康な人の骨髄から採取して加工、培養した幹細胞で、東京の再生医療ベンチャーが開発した。外科手術で頭部に小さな穴を開け、脳の損傷部周辺に注入する。免疫反応を抑える働きがあると考えられ、他人に由来する細胞にもかかわらず、免疫抑制剤を使う必要はないという。

 対象は、まひが一定程度より重い▽脳の損傷から1年以上がたち、従来の治療では効果がないとみられる―といった条件を満たす患者。両国で計52人を予定し、幹細胞の投与量(1千万個、500万個、250万個、なし)によって4グループに分け、運動機能がどの程度改善するかを1年間追跡調査する。

 先行する米研究チームの論文では、幹細胞を移植した18人のほぼ全員の運動機能が回復し、目立つ副作用はなかったという。国内では2016年秋に第1例を手掛けた東京大を皮切りに、岡山大、大阪大などを含む計5施設で治験を計画。岡山大は安原講師を中心に実施する。

 岡山大によると、移植した幹細胞が、傷ついた神経細胞の修復を促す栄養因子として働くと推測される。脳神経外科の伊達勲教授は「外傷性脳障害は急性期を過ぎるとリハビリ以外に治療法がなかったが、再生医療は新しい選択肢になり得る。患者は希望を持ってほしい」と話す。

 治験参加の問い合わせはコールセンター(0120―555―475)。

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