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正規社員の解雇と非正規社員の解雇の違い

 「正社員と違って、非正規社員は簡単に解雇できる」などと言われることがありますが、実は必ずしもそうではありません。

非正規社員は「期間の定めのある労働契約」になることが多い

 雇用形態の呼称にはさまざまなものがありますが、法律上は「期間の定めのない労働契約」と「期間の定めのある労働契約」の二つに分けられます。

 「期間の定めのない労働契約」とは、文字通り、期間を定めずに締結する労働契約であり、雇用主か労働者のいずれかから解約の申し込みがなされない限り、労働契約が継続します。一般に、正社員の多くはこれに当たります。

 他方、「期間の定めのある労働契約」とは、「平成○○年○月○日まで」のように期間を決めて締結される労働契約です。一般に、非正規社員、アルバイト、パート、契約社員などの多くはこれに当たります。

「やむを得ない事由」がない限り
契約期間の途中で解雇できない


 「期間の定めのない労働契約」では、「合理的な事由」がなければ解雇できません(労働契約法16条)。一方で、「期間の定めのある労働契約」において、期間の途中で解雇をする場合には、「やむを得ない事由」が必要であると定められています(同17条1項)。この「やむを得ない事由」は、「合理的な事由」よりも狭い条件とされています。つまり、正社員の解雇よりも、非正規社員の解雇の方がより厳格な規制を受けているということになります。これは、期間が定められている以上、労働者は、期間が終わるまでは働き続けられるだろうと強く期待するのが普通だからです。

 ただし、期間の定めのある労働契約では、期間が経過すれば労働契約は終了します。このため、労働者側が契約の更新を望んでいるのに、雇用主側が更新を拒絶するということが起こります(これを「雇い止め」と言います)。雇い止めについても一定の規制はありますが、解雇よりも緩やかに認められています。

 つまり、非正規社員の解雇、正社員の解雇、非正規社員の雇い止めの順で認められにくい、ということになります。

先生紹介

  • 安達祐一 先生

    安達法律事務所

    倉敷市鶴形1-4-15 シャトーブリアン2F

    TEL.086-423-5311 http://www.adachilaw.jp/

    2004年東京大学法学部卒業。同年司法試験合格。司法修習を経て06年弁護士登録。10年、生まれ育った倉敷市内で開業。

    「地元住民の方に密着したサービスを心がけています。倉敷センター街の先にある事務所で、ご相談をお待ちしています」

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