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離婚時における親権の行方

 離婚する夫婦の間に未成年の子がいる場合、その子の親権を、父と母のどちらが取得するかでもめることがあります。話し合いがつかない場合、最終的には裁判所に決めてもらうことになるのですが、その場合、どのような事情が考慮されるのでしょうか。

子の現状が維持できるかどうか
父母の養育状況を見て検討する


 まず重要視されるのが、継続性です。子どもにとって引っ越しや転校は大きなストレスになりますから、なるべく現状を維持してあげようということです。しかし、これは行きすぎると、夫婦が別居する際に子どもを無理矢理連れ去って自分の手元に置き、継続性を主張するということが起こりやすくなります。そこで現在では、生まれてからこれまで、父母のどちらが、どのように子の養育をしてきたかを見て、その中で継続性を検討する、という考え方が主流になってきています。

 次に、特に子どもが乳幼児の場合ですが、やはり母親が必要であるということがよく言われます。もっとも近年は共働きの夫婦も大きく、夫婦のあり方も変わってきているため、母親とは限らず、母親の役割をする者がいる家庭の方が優先されると言われています。

成年に近くなるほど
子の意思が強く尊重される


 それから、子どもの意思も尊重されます。ただし、これはある程度子ども自身に判断力が必要になりますから、幼い子どもの場合はあまり重視されませんし、逆に成年に近くなるとかなり強く尊重される傾向にあります。

 そのほか、兄弟を一緒に育てることができるか、親権を取得した場合に、他方の親との面接交渉を許すつもりがあるか、あるいは子どもを無理矢理奪って手元に置いているような事情はないか、といったことも考慮されています。

 他方、離婚に至った原因がどちらにあるかということや、経済的に子どもを育てられるかということは、あまり重視されない傾向にあります。

 もちろんこれらは一例であり、実際には具体的な事案に即して、親権者が決定されます。もしご自身の場合についてお悩みであれば、お近くの弁護士にご相談ください。

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先生紹介

  • 安達祐一 先生

    安達法律事務所

    倉敷市鶴形1-4-15 シャトーブリアン2F

    TEL.086-423-5311 http://www.adachilaw.jp/

    2004年東京大学法学部卒業。同年司法試験合格。司法修習を経て06年弁護士登録。10年、生まれ育った倉敷市内で開業。

    「地元住民の方に密着したサービスを心がけています。倉敷センター街の先にある事務所で、ご相談をお待ちしています」

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