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三部山 不動院(さんぶさん ふどういん)

1828(文政11)年建立の山門

境内。左に鐘楼堂が見える

丘に位置する不動院

不空羂索観世音菩薩の油絵

大原焼の五重塔

銅板アート作品

古瓦アート作品

丘の上に鎮座する アートに愛された寺院

<歴史>

寺院整理によって誕生した不動院

 不動院の起源は「三部山霊山寺」という寺院である。同寺は江戸時代、備前藩主・池田光政の寺院整理によって一度廃寺となった。しかし霊山寺の中堂(ご本尊を安置する堂)は、摂州麻田藩の飛び地であった里庄町新庄にあったため、寺院整理から免れた。当時の住職・智算は同地に移住。1693(元禄6)年に不動院を建立した。後に智算は霊山寺の復興も行った。

 その後第十六世・智賢が、開基より二百数十年を経て、腐朽が甚だしくなった堂宇の改築を発願。1933(昭和8)年には本堂と庫裏が新築落成した。更に2014(平成26)年にも現住職の就任を機に改修が行われ、現在に至っている。

 ご本尊は不空羂索観世音菩薩である。羂索(漁猟用の網)を用いて、あらゆる衆生をもらすことなく苦しみから救うとされる。秘仏であり、開扉されるのは33年に1度のみ。本堂にはご本尊の姿を描いた油絵があり、こちらはいつでも拝観できる。ほかに不動明王、毘沙門天、弘法大師など諸尊が安置されている。

<見どころ>

大原焼の名作やアート作品も魅力

 同寺は小さな丘の上に位置する。南面にはかつて桃畑があり、「桃の花に浮いている寺」と形容されていた。境内には本堂のほか、山門、客殿、鐘楼堂、庫裏、瑜伽大権現堂などが並ぶ。それら諸堂の間を老松が巡り、心安らぐ空間になっている。

 鐘楼堂は1882(明治15)年に建てられたもの。二階建て構造の総ケヤキ造り瓦葺きで、建物の腰から下には板張りの袴腰が付けられており優美な姿を見せている。瑜伽大権現堂には、阿弥陀如来と薬師如来を祀る。1824(文政7)年に、由加山蓮台寺から勧請したものである。

 境内には里庄町の特産で、名僧・行基が伝えたといわれる幻の焼き物「大原焼」の作品が点在している。高さ3メートルの五重塔は名工・妹尾石平による1911(明治44)年の作品で、現存する大原焼の中でも代表的な名作と呼ばれている。他にも大阪城をモチーフにした大原焼など、珍しいものが多い。

 東庭で目を引くのが、龍やボタンの花を古瓦で表現したアート作品。使用されているのは、平成の改修の際に不要となった約1万枚の古瓦である。近くには銅板で作成された、不動院の全景を表す作品もあり、参拝者の目を楽しませている。

 年間行事としては、地域住民の要望もあって「瑜伽祭り」が2017(平成29)年から再開されることになった。にぎやかなお祭であり、地域の夏の風物詩である。

ご案内

住所/〒719-0302 浅口郡里庄町新庄3167
TEL/0865-64-2102
交通/山陽自動車道・鴨方ICから車で15分。JR山陽本線・里庄駅から車で4分、または徒歩20分
HPアドレス/http://www.fudoin.com/
宗派/高野山真言宗
ご本尊/不空羂索観世音菩薩
開山/1693(元禄6)年
代表的寺宝/両界曼荼羅(脂蔵界曼荼羅、金剛界曼荼羅)、涅槃像、毘沙門天立像、不動明王坐像、弘法大師坐像

年間行事

1月2日/正月修正会
旧暦2月15日/常楽会(4年に1度の開催)
5月8日/花まつり
8月13日/瑜伽祭り
8月16日/施餓鬼会
12月31日/除夜の鐘

【ちょっと 見ていかれぇ】

縁結びのハートの植木

 ぷっくりしたハート型の、なんとも可愛らしい植木。参道入口にあるもので、檀家のご夫婦が剪定してくださったそう。それ以来、不思議なことに不動院青年部のメンバーに次々と良縁が舞い込んでいるとのこと。ご縁を求める方は、参拝前に立ち寄ってみては。


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