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高齢者の外出を地域住民が支援 岡山県「通所付添事業」拡大へ

高齢者(中央)を交流拠点から自宅に送るため、乗車をサポートするボランティアたち=吉備中央町

 自力での移動が難しくなった高齢者の外出を地域住民がボランティアで支え、介護予防を図る岡山県の「通所付添(つきそい)サポート事業」が広がりつつある。お年寄りが自宅に閉じこもるのを防ぎ、自治体の介護給付費抑制にもつなげる試み。2017年9月に吉備中央町で始まり、18年度中には4市町になる見込みだ。

 かもがわ総合福祉センター(吉備中央町円城)で週1回開かれる交流拠点「通いの場」。利用する女性(84)=同町=の自宅に赤いゼッケンを着けたサポーター2人が訪れ、車で連れて行く。

 会場には、高齢者が次々と到着。体操やランチを楽しむ。中川さんは「歩くと遠いので送迎がないと一人では来られない。今日も元気をもらった」と笑顔を見せた。

 地域の絆強く 

 事業は、定年退職した元気な高齢者らが「付添人」となって送迎や見守りを担い、住民互助で介護予防を地域で進める取り組み。移動に使う車は社会福祉法人の空き車両などを借りる。県は希望する市町村を募り、サポーターの養成講座開催やアドバイザーを派遣して支援する。

 吉備中央町ではサポーターが運営協議会を設立。利用者負担は片道100円で、サポーターは2人一組で町から活動の対価として1日計2200円を受け取る。利用者は当初の13人から67人、サポーターは18人から38人に増えた。「地域で支え合う空気が醸成され、絆が強まった」と協議会の前嶋満智子会長(73)は説明する。

 通いの場に食料品を移動販売する業者が訪れるようになり、「買い物難民対策」の効果も。サポーターの平均年齢は65歳以上で、シニアの活躍の場づくりにもなっている。

 給付費膨張 

 事業の背景には、介護給付費の膨張がある。17年度は県内で過去最高の1667億4200万円。事業で介護施設への入通所が減れば、自治体の負担も少なくなる。県長寿社会課は「閉じこもりを解消し、通いの場に出向くことが最も効果的な介護予防との認識を広げたい」と強調する。

 18年12月には備前市が三石地区で始めており、市地域包括支援センターは「三石の活動を周知し、他地区にも広げたい」。矢掛、奈義町も今月中の開始に向けて準備を進めている。

 県は20年度までに10市町村への導入を目指すが、簡単に手を挙げられる自治体ばかりではない。ある担当者は「人口が減る中で、ボランティアの担い手を確保するのが難しい」と打ち明ける。

 高齢者を支える社会の仕組みづくりに詳しい県立大保健福祉学部の村社卓教授は「サポーターに無理がかかると継続できない。運営を手伝ったり、相談に乗ったりできる人材を配置するなど行政のバックアップが不可欠」とする。
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