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造山古墳で特殊な蓋形埴輪片出土 県内初、大和王権との関係示す

造山古墳で出土した立ち飾りを持たないタイプの蓋形埴輪の一部(傘の縁辺部)

 全国第4位の規模を誇る前方後円墳・造山古墳(国史跡、岡山市北区新庄下)で29日までに、身分の高い人にかざす傘をかたどった「蓋(きぬがさ)形埴輪(はにわ)」の一部が出土した。上部に「立ち飾り」を持たない特殊なタイプとみられ、発掘する岡山市教委などによると岡山県内での確認は初めて。全国的にも、大王墓級古墳が多く含まれる百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群(大阪府)などに出土は限られており、造山と大和王権の密接な関わりがうかがえるという。

 埴輪片は広げた傘の縁辺部や上部に相当し、少なくとも2基分が後円部西側の試掘溝2カ所から見つかった。3段築造の墳丘の平たん部に設けた埴輪列に、円筒埴輪と一緒に並んでいたとみられる。

 造山古墳では過去の調査で、立ち飾りを持つ蓋形埴輪も出土しているが、今回は上部の形状や縁辺部の角度などから特殊なタイプと判断した。「型式の異なる2種類の蓋形など多様な埴輪を備えることから、造山の被葬者の持つ力の大きさが改めて分かる」と同市教委文化財課。

 特殊なタイプの蓋形埴輪は、全国最大の大山古墳(伝仁徳陵)などで構成する百舌鳥・古市古墳群の一つで、応神陵と伝わる全国第2位の誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(大阪府羽曳野市)や、国史跡の古室山古墳(同藤井寺市)などで見つかっている。

 国立歴史民俗博物館の松木武彦教授(元岡山大教授、考古学)によると、造山古墳と百舌鳥・古市古墳群の埴輪は、形態や製作技術が共通することが以前から知られ、今回の発見で細かな器種のセット関係まで共有していたことが判明するという。「造山の築造に百舌鳥・古市の古墳、埴輪作り集団が参加していたのだろう」と説明する。

 松木教授は「造山古墳の築造は古代吉備の勢力が畿内に対抗したのではなく、当時の『国家的事業』として政権が大きく関与していたことがより明確になった」と話している。

 岡山市教委は12月2日午前10時~午後3時、現地説明会を開く。小雨決行で、発掘現場で随時受け付ける。問い合わせは文化財課(086―803―1611)。
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