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「完走応援隊」本紙記者も務める おかやまマラソン ペース配分伝達

メガホン片手に関門までの残り時間を伝える天津記者(左)=岡山市中区平井

41・6キロ地点にある最終関門を突破し、完走応援隊と笑顔でハイタッチするランナー=岡山市北区いずみ町

 岡山市内で11日に行われた「おかやまマラソン2018」は、1万6千人を超すランナーの力走で盛り上がった。今回初めて導入されたのが、フルマラソン参加者に声を掛けながら伴走してゴールへと導く「完走応援隊」。そのボランティアを記者も務めた。過去6回経験したフルマラソンと違って、ランニング愛好者と走る喜びや楽しさを分かち合った42・195キロを振り返る。

 完走応援隊は、6時間の制限時間(41・6キロ地点)をクリアできるよう最後尾付近を走り、途中に設けられた11カ所の関門までの残り時間を伝えたり、ペース配分をアドバイスしたりするのが役割。参加者の約2割を占める初心者をサポートし、満足度向上につなげるのが狙いだ。メンバーはマラソン経験豊富な7人で、3人は6時間のペースランナー、その前後で記者を含む4人が声掛け担当になった。

「自分を褒めて」 

 「初マラソンの人は前半から飛ばさないように。僕らと一緒に走りましょう」。午前8時45分のスタート前、応援隊の会社員脇坂隆之さん(54)=玉野市=が呼び掛ける。記者も最後列から走り始めた。

 自身の経験から、前半はゴールまでの道のりを長く感じるもの。参加者に残りの距離を意識させないよう、10キロ、20キロの通過ポイントでは「万歳ポーズで通りましょう」「ここまで来た自分を褒めてください」とメガホンで声を掛けた。多くの人がにこやかに応じてくれ、軽やかな足取りで駆け抜けていく。

 だが、後半に入ると状況は一変。関門がじわり重圧となってのし掛かる。制限時間に間に合わなければ即、途中棄権。特に浦安公園駐車場(25・4キロ地点)と、江並上ちびっこ広場(31・5キロ地点)は例年リタイアが続出する“難所”だ。加えて31キロ地点には、最大高低差17メートルの岡南大橋が待つ。疲れと上り坂でうなだれるランナーに「岡山市内を一望できる景色と川からの風を楽しんで」と橋上で気分転換するよう促した。

 岡南大橋を通過すれば、旭川東岸を北上するラスト10キロ。ふと周囲を見渡すと、笑顔が消えていた。残る関門は五つ。「締め切りまであと何分?」「このペースでゴールできるのか」。切羽詰まった様子で何度も聞かれる。タッチの差で関門閉鎖となり、座り込んで号泣する女性も。疲労で重くなった脚を前に出し、走っては止まり、止まっては走る―。懸命にゴールを目指す姿を間近で見て、こちらの胸も熱くなった。

感動ハイタッチ 

 疲労感のにじんだ顔が、晴れやかなスマイルに変わった。

 ジップアリーナ岡山(岡山市北区いずみ町)前に設けられた41・6キロの最終関門。声掛け役の4人で並び、ハイタッチで出迎えた。「帰ってきたぞー」「完走応援隊ありがとう」。ゴールのシティライトスタジアムに向かうランナーたちの誇らしげな顔が忘れられない。

 完走率は89・6パーセント。昨年(91・3パーセント)をやや下回った。関門ごとのリタイア率は前半こそ昨年より低かったものの、後半になって最高気温20度近い暑さに苦しんだ人が多かったようだ。

 今年で4回目を迎え、「走る、見る、支える」を合言葉に県民の絆を深める一大イベントとなったおかやまマラソン。ランナーに寄り添う完走応援隊として「走る」と「支える」の両方を味わうことができ、マラソンの魅力をまた一つ見つけた気がした。(天津雄一郎記者)
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