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シンガポール国立大学での将棋授業

 受講生全員と記念撮影

 アジア大学ランキングでトップを争うシンガポール国立大学。グローバル化が進んだ都市国家に、世界各地から学力の高い学生が集まっています。

 私が初めて訪れたのは2015年5月、同大学の将棋部で指導対局会を行いました。それから3年経った今年の9月、授業で将棋を紹介する機会を得られました。

 授業へ向かうため、タクシーに乗り込んで目印となる図書館の名前を伝えると「図書館が多すぎてどれか分からない」との返事。Googleマップで見ると敷地内には無数の建物があり、もし違うところに行ったら歩いては到底たどり着けないような広さ。検索して場所を探し出し、何とか教室のある「AS8」というビルの前で降りることができました。

 授業の途中で入室すると、学生たちの視線が一気に集中します。先生のご希望もあってはかま姿で伺ったのですが、やはり色鮮やかな和服は印象的なようです。

 今回伺ったのは「日本語5」という、日本語を2年半ほど勉強している学生が受講するコースで、午後6時から7時35分までの95分授業。この日の授業は「敬語」がテーマで、尊敬語と謙譲語について学んでいました。

 講師の先生は通常のスピードで日本語を話し、テキストは全て日本語。母国語であっても難しく感じる内容でしたが、賢い学生たちは皆、理解できている様子で隣と敬語の練習をしています。

 将棋の授業は後半の30分。はじめにスライドで将棋の歴史、チェスと将棋の違い、プロ棋士の制度や対局風景について紹介します。

 時々問い掛けてみると、きちんと日本語で答えが返ってきました。王将を取ったら勝つこと、取った駒を使えることなど基礎的なルールを説明してから自由対局の時間に移ります。

 机の上に「どうぶつしょうぎ」と将棋のセット、そして説明書をたくさん置いて、各自好きな方を取ってもらいます。

 受講生は女子が多かったせいか、「どうぶつしょうぎ」がかわいいと人気でした。中国系の学生が多いため漢字は読めるようですが、「この字は何ですか?」と質問されたのは成駒。やはり崩し字は分からないようで、読みやすい文字にする必要があると感じました。

 授業時間を延長して30分ほど残った学生たちもいて、「どうぶつしょうぎミニ大会」を開始しました。

 「学生たちのあんな楽しそうな顔を見たのは初めてです」と先生のお言葉。お世辞が含まれていると分かっていても、やはりうれしいものです。

 実際、対局しているときはみんな素直で、無邪気な子どもの顔をしていました。

 将棋と「どうぶつしょうぎ」を寄贈すると、さっそく寮に持って帰ってやってみるとのこと。併せて「将棋ウォーズ」などのアプリを紹介したところ早速ダウンロードし、その場で対局を始めていました。

 このスピード感こそシンガポールらしさ! 優秀な学生たちの間で将棋がはやれば、彼らが世界に羽ばたいて活躍するとき、各地で将棋が広がっていくかもしれません。(北尾まどか)

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