文字

ミズアオイの自生地次代に 倉敷の榎本さん、保全30年以上

全滅したミズアオイの自生地を眺める榎本さん。食害に頭を悩ませている

昨年は青紫色の花が見られたミズアオイ=2017年8月29日、倉敷川河川敷の自生地

 倉敷市加須山の倉敷川沿いにある岡山県内唯一のミズアオイの自生地で、元同市立自然史博物館友の会長の榎本敬さん(72)=同市=が、30年以上保全活動を続けている。例年、ジャンボタニシなどの食害にさらされる中、地道に駆除に努め、貴重な種を次代に残そうとしている。今年は見頃となる9月までに食害で花が全滅したものの、16日の観察会で改めて自生地の大切さを訴える。

 高さ80センチの柵越しに茂ったマコモに、榎本さんが腰を曲げながら手を伸ばす。取っているのはピンク色のジャンボタニシの卵塊。「塊一つから100匹以上ふ化する。生まれたら一気にミズアオイが食べられてしまうんよ」。ヌートリアから守るために四方を柵で囲んだ自生地では、マコモに付いたジャンボタニシの卵がミズアオイに被害を及ぼす。春から夏場にかけては週1回、駆除に出向いた。

 自生地との出合いは、岡山大の助手をしていた1987年。「見る人を癒やしてくれる」青紫色のかれんな花に魅せられた。以降、倉敷市や同友の会会員らとともに、自生地で採取したミズアオイの種をまいたり、天敵から保護したりする活動に取り組んできた。市環境政策課の岡本昭一主幹は「榎本さんなしでは自生地は存続していない。30年間ミズアオイを見守り続けてきた情熱には頭が下がる」と話す。

 ジャンボタニシの駆除はほぼ一人で行うなど熱意は十分だが、視力や体力面で衰えを感じ始めている榎本さん。今年は多くの侵入を許し、7月に花を付けたものの、その後全滅したという。将来にわたってミズアオイを残していくには、後継者育成など課題を抱える。それでも「次代に伝えるべき市民の宝」との思いを胸に、当面は活動を続ける考えだ。

 観察会では、同市立自然史博物館の学芸員らとともにミズアオイの解説に当たり、保全の意義を訴える。自生地の花が全滅したため、重井薬用植物園(同市浅原)で生育した花を用意する。午前10時~正午。15日までに同博物館(086―425―6037)に申し込む。
カテゴリ:

【地域の話題】の最新記事

ページトップへ

ページトップへ

facebook twitter rss

▼山陽新聞社運営サイト
さんデジタウンナビ | 岡山の医療健康ガイド | マイベストプロ岡山 | 47CLUB | さん太クラブ | おかやまリフォームWEB | LaLa Okayama
山陽新聞カルチャープラザ | 建てる倶楽部 | 山陽新聞進学ガイド | 山陽新聞プレミアム倶楽部 | まいられぇ岡山 | 囲碁サロン
▼関連サイト
47NEWS | 今日のニッポン
掲載の記事・写真及び、図版などの無断転記を禁じます。すべての著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。

Copyright © The Sanyo Shimbun. All Rights Reserved.