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岡山大病院のがんゲノム医療とは 新設診療科長の平沢教授に聞く

がんゲノム医療について話す平沢教授

 がん患者の遺伝子を調べ、最適な薬や治療法を選ぶ「がんゲノム医療」が2018年から国内で本格的にスタートした。従来の肺や胃など臓器別の治療より効果的とされ、がん死亡率の低下が期待される最先端の治療法だ。中四国で唯一、中核拠点病院に選定されている岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は9月に臨床遺伝子診療科を新設し、ゲノム医療を推進していく体制を整えた。診療科長の平沢晃教授に、どのような医療を提供するか聞いた。

  ◇

 診療科には二つの外来を設けている。

 一つは、採取したがん組織や血液から原因遺伝子を特定し、専門医らが治療法を決めていく外来。がんは正常な細胞の遺伝子が変異し、増殖が止まらなくなって発症する。がんの部位は同じでも、患者ごとに原因の変異は異なり、そこを突き止める。

 もう一つは将来のリスクに備えた遺伝カウンセリング外来だ。検査で判明した遺伝子変異は血縁者の中で共有している可能性がある。患者と血がつながる子どもや兄弟姉妹の病気の発症リスクの予測につなげることができる。「予防医療」としてとても重要な役割を持っている。

 米国の女優アンジェリーナ・ジョリーさんが受けて話題になった乳房と卵管、卵巣を切除する手術はご存じだろうか。卵巣がんで亡くなった母親と同じ変異が見つかり、予防的に切除した。がんになる可能性を卵巣がんで80%、乳がんで50%減少させられることから踏み切ったようだ。

 このような手術は大きな決断が必要なため、外来ではデータを分かりやすく説明したり、不安を受け止めさまざまな相談に応じたりする遺伝カウンセラーを配置している。

 例えば、ジョリーさんと同じ変異が見つかった患者に10代、20代の娘がいて、彼女らに変異が受け継がれていた場合どうするか。子どもにいつ、どのようにリスクを伝えるか、手術が必要か。あらゆるケースを想定し、サポートしていく。

 岡山大病院が取り組むがんゲノム医療には、中四国9県と長野、兵庫県の16施設も参加している。治療から予防まで安心して受けられる体制を構築するとともに、医師やカウンセラーといった人材育成にも積極的に取り組んでいきたい。
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