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福山・御領遺跡に縄文期注口土器 2点発見、割れた状態を復元

御領遺跡から出土し元の形に復元された注口土器2点

 福山市神辺町御領地区にある広島県内最大級の集落遺跡「御領遺跡」で、縄文時代後期から晩期(約4000~2400年前)にかけてのものとみられる注口土器(側面などに注ぎ口が付いた土器)2点が見つかった。幾つかに割れた状態だったが、元の形状にきれいに復元。これほど状態が良い例は珍しく、当時をうかがう貴重な史料となりそうだ。

 2016年4~5月に行われた市の154次調査時に同遺跡の八幡原地点で出土した。2点とも注ぎ口と胴部は一体となって見つかり、他の数片とつなぎ合わせて復元された。大きい方は高さ約20センチ、最大径26センチの土瓶形。もう一つは同10センチ、同16センチの急須形でそれぞれ暗褐色と褐色。いずれも胴体にうっすらと幾何学模様が残る。

 注口タイプとみられる土器片は同遺跡や近隣で見つかっているが、復元できないほど細かく砕けているケースがほとんど。形がほぼ完全に分かるのは「県内で初めてではないか」と市文化振興課。

 注口土器は一般に酒を注ぐのに使用したとされるが、同課によると同遺跡で日常的に使われた痕跡はみられず、「祭祀(さいし)など特別な時に使われたのでは」と推測する。また、注口土器が見つかったそばで、5カ所以上密集した炉跡や石器の素材に使われる安山岩の破片が見つかったことから、一帯は「石器製作所」だった可能性もあると見ている。

 注口土器2点は、菅茶山記念館(神辺町新湯野)で19日に開かれた講演会(市神辺歴史民俗資料館主催)で初公開された。今後、同資料館で展示する予定。

 同課は「福山の縄文期の生活はほとんど分かっていないが、土器の発見が集落の性質や人々の暮らしを知るきっかけになれば」としている。
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