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倉敷の避難者3割が要配慮者 「災害関連死」対策が課題に

要配慮者の体調を確認するため、避難所に入る倉敷市の保健師=2日、倉敷市真備町岡田の岡田小

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区を中心に同市内の被災者2千人余りが身を寄せている避難所で、高齢や障害、重病などの理由により配慮が必要とされる人(要配慮者)が3割を占めていることが3日、市への取材で分かった。過去の大規模災害のケースから専門家は、避難生活の負担に起因した高齢者らの「災害関連死」対策の重要性を指摘。市などは保健師らによる見守り活動や要配慮者を対象にした公営住宅のあっせんなどを進めている。

 倉敷市保健所によると、7月31日時点で、真備町地区の小学校などに開設した避難所計25カ所の被災者2088人(市保健所調べ)のうち、30・4%の634人が要配慮者だった。要配慮者は高齢者、乳幼児、障害者、重病を患っている人で、それぞれの人数は集計できていない。

 634人のうち、特に心身の状態に不安があり、継続的な支援が必要とされるのは86人。軽度の認知症で自分がどこにいるのか分からなくなる▽身体障害で歩行中に転倒の恐れがある▽家族が食事を管理しないと体調が悪化する病気にかかっている―といったケースがあるという。

 避難生活のストレスによる体調悪化や過労、自殺など間接的な原因で亡くなる災害関連死は大規模な災害で相次いでいる。2011年3月の東日本大震災では3600人以上が関連死と認定された。さらに復興庁の調査では、震災から1年後の12年3月末時点で関連死と認定された約1600人のうち、9割が66歳以上の高齢者だった。

 被災者の健康を守るため倉敷市は、保健師を避難所に派遣し体調確認に当たっている。特に高齢者については市高齢者支援センター(地域包括支援センター)の保健師、社会福祉士、ケアマネジャーが対面調査を実施。市は要配慮者を対象にした公営住宅の提供も続けており、初回の募集(7月18~20日)では、75歳以上の被災者ら5世帯の入居が決まった。ほかにも全国からの応援を含めた医師や看護師ら医療・福祉の専門家が被災地で活動している。

 国立病院機構災害医療センター(東京)の河嶌讓医師は「避難所では、日常生活が制限されることによるストレスや疲労の蓄積、体を動かさなくなって筋力が低下する『生活不活発病』の発病など、心身の状態が悪化するリスクが高い。行政、医療、福祉の専門機関による継続的な支援が欠かせない」と指摘する。
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