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豪雨で水損「大切な物」応急処置 修復士が3日から倉敷に出張所

斎藤さんらが倉敷市真備町地区で応急処置した山水画。額の内外にカビがびっしり生えている

 岡山で活動している絵画修復士2人が、岡山県内の西日本豪雨の被災者を対象に、水損した日記や絵など「大切な物」の無償応急処置を始めている。3日からは週1回、金曜日に倉敷市内に定期出張所を開き、本格的な支援に乗り出す。

 イタリアで学んだ斎藤裕子さん(41)=岡山市中区=と、今村友紀さん(37)=同。専門は油彩画だが、応急処置では子どもの描いた絵、書、親子手帳、賞状、手紙、位はい、写真…と広く受け付ける。

 2人は豪雨の3日後から数回、倉敷市真備町地区を訪ねてニーズを調査。復旧作業が進む中、水没した物をえり分ける余裕がなかったり、片付けのボランティアへの遠慮、避難所に持ち込めないといった理由から多く品が捨てられる現状を目の当たりにした。

 「人命や生活が脅かされた状況で、絵や日記を捨てないでとはなかなか言えない」と今村さん。だが川の水を含んだ紙類は連日の暑さもあり「大量のカビが想像を超える勢いで増えている」。7月は相談のあった物だけ対応していたが、保管と一刻も早い処置を呼び掛けようと決意した。

 今村さんは熊本県出身、斎藤さんは家族が阪神淡路大震災で被災。ともに震災後の絵画救出を強く意識し研究も重ねてきた。斎藤さんは「水損物を見てもつらいだけ、という声もあるけれど、いつか日常が戻った時、大切な品が手元にある方がいいと思う」と話す。

 定期出張所は1~3カ月の開設を予定し、龍昌寺(倉敷市西岡)で午前9時~午後4時。乾燥、泥やカビの除去、殺菌のほか処置の指導も行う。
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