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真備で水没した仏壇を供養や処分 倉敷の寺院・業者が仏教の作法で

真備町地区で水没した仏壇に手を合わせ、お経を唱える石原住職

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区で、水没した仏壇の供養や処分に、地元の寺院や仏具業者が取り組んでいる。被災者からは「大切な仏壇をほかの家具と同じように捨てるのは忍びなく、助かった」と安堵(あんど)の声が聞こえる。

 真備町地区にあり、1階の天井部分まで水没した民家居間。泥水の跡が残る仏壇を前に、寳生院(ほうしょういん、倉敷市真備町有井)の石原澄明住職(35)が厳かにお経を唱えた。これは仏壇から魂を抜く仏教の作法で、終えた後は気兼ねなく処分できるようになるという。

 民家で暮らしていた自営業夫妻=ともに(71)=も手を合わせ、様子を見守った。2人は「仏壇をどうしたらいいか分からず困っていた。気持ちが少し落ち着いた」と語った。

 寳生院の檀家(だんか)のうち約300世帯が浸水被害に遭った。石原住職は無償で仏壇の供養を続け、多い日には5件程度の依頼がある。「何世代にもわたり大切にされてきた仏壇は多く、そのまま捨てるのに抵抗がある人は少なくない。被災者の心が安らぐよう、お手伝いできれば」と話す。

 倉敷市の仏具業者も支援に取り組む。「中原三法堂」(同市羽島)と「鵬林」(同市笹沖)は西日本豪雨の被災者を対象に、使えなくなった仏壇を無料で引き取るサービスを実施。それぞれ提携した寺院で供養した後、処分しているという。

 両社合わせて依頼は100件を超えた。鵬林の西原二郎専務(50)は「地元企業として、困っている地域に貢献したい。当面は続ける」と言う。

 一方、ほかの災害ごみと同じように、やむなく仏壇を捨ててしまった人について、仏具関係者は「非常時なので気にしないでほしい」と口をそろえる。

 100以上の檀家が浸水被害に見舞われた吉備寺(同市真備町箭田)の杉岡正規住職(55)は「こんなときに仏様は怒ったりしない。仏壇を新しくする際に、丁重にお迎えすれば大丈夫」と呼び掛ける。
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