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障害者のビール醸造所「再生」へ 真備、ボランティア拠点に

壊滅的な被害を受けた醸造所の前でボランティアに駆け付けた福祉関係者らと打ち合わせをする多田さん(左端)

 倉敷市真備町地区で、精神障害者を支援するNPO法人「岡山マインドこころ」が運営する就労拠点「真備竹林麦酒醸造所」(同町箭田)が西日本豪雨で壊滅的な被害を受けた。完成間近だった「純岡山県産ビール」造りはとん挫。絶望的な状況となったが、スタッフたちは町内外の障害者らとともに清掃ボランティアを組織し、地域の復興支援に乗り出した。

 醸造所は一部プラントが汚泥に埋まり、作業所として約5千万円をかけて昨年整備したばかりの製麦施設も全壊状態。大麦生産・加工から醸造まで岡山県内で行う「純県産ビール」は、完成間近でほとんどが失われた。さらに、併設するグループホームも被害を受け、利用していた障害者18人は真備町内の医療機関に移ることになった。

 水害で何もかもが一変したが、「地域の過酷な状況を考えると前を向くしかない」と代表理事の多田伸志さん(57)=倉敷市。水害時には自身もウエットスーツに足ひれを着け、濁流を泳いで作業所2階に取り残された障害者2人を救出に向かい、漂流物のタイヤにしがみきながら、屋根に引き上げた。

 被災後、旧知の福祉関係者や障害者らから援助の申し出が相次ぎ、11日には醸造所などをともに清掃。町内の他の福祉施設も大きな被害を受けたと知り、醸造所をボランティア拠点として開放しようと考えた。

 12日、呼び掛けに集まった有志は障害者を含め約50人。まずは福祉施設2カ所で清掃に汗を流した。13日以降も当面、福祉施設を中心に活動を続けるという。

 「命があることに感謝しなければ」と多田さん。「無事でさえあれば、醸造所の復旧も、古里の再起も諦める必要はない。地域全体が復興し、さらに素晴らしい町になるよう力を合わせたい」と言う。

 ビール事業でも前を向く。大型冷蔵庫の約千リットルが奇跡的に無事だったことから、14、15日に笠岡市・白石島で開催されるイベント参加。諦めない姿勢を示していくつもりだ。
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