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豪雨で岡山県広範囲に農作物被害 収穫不能、定植やり直しも

倒壊したマスカット・オブ・アレキサンドリアのハウス=総社市福谷

冠水で腐った青ネギ=岡山市北区牧石地区

 西日本豪雨による岡山県内の農産物被害が広範囲に及ぶことが徐々に判明してきた。総社市のブドウ畑ではハウスが倒壊し、岡山市の野菜や新見市のリンドウの農地も冠水。生産者は収穫できず、定植のやり直しも迫られるなど頭を抱える。

 高梁川沿いにある総社市のブドウ農家男性(71)の畑では、増水した川から押し寄せた濁流でハウス2棟(計3・5アール)が倒壊。ビニールが破れ、むき出しとなった鉄製の骨組みは大きく湾曲した。

 出荷間近のマスカット・オブ・アレキサンドリア計約1トンが全滅。ブドウだけでも約250万円の損失を見込む。半世紀以上栽培し、水害の経験もある仮谷さんは「ハウスの倒壊は初めてで言葉もない。建て直せば多大な金額がかかるので、残ったハウス(9棟)で続ける」と話す。

 岡山市では、野菜の被害が相次ぐ。

 青ネギ産地の同市北区牧石地区では、複数の農家で冠水被害があった。JA岡山牧石ねぎ部会(23戸)の疋田剛士部会長(45)=同市北区=の畑は約35アールが水に漬かった。青ネギの大半が腐り、変色して出荷不能となり、被害金額は約250万円に上る。土の消毒を行い、再び出荷できるまで最短で3カ月ほどかかるという。

 疋田部会長は「自然災害には勝てない。収入がなくなるのはきついけれど、また一からこつこつやるしかない」とため息をつく。

 野菜栽培のめぐみ農園(同市東区浅川)では、近くを流れる砂川の決壊で用水路があふれ約45アールが冠水。ピーマンやトマト、ズッキーニなど約10種類がほぼ出荷できなくなった。岡本尚子代表(48)は「厳しい状況だが前を向くしかない。次の定植期まで空白期間が発生するので、別の作物を考える」。

 県北西部の新見市では、県内最大の生産量を誇る花「リンドウ」が被害を受けた。栽培している男性(41)=同市=は畑70アールが冠水。約4万株が根元から高さ30センチほど水に漬かった。葉が枯れるなど出荷不能状態の花も多く、水が引いた9日には全体に消毒を施した。「冠水時は根が酸欠状態になっているので、株自体がだめになっているかもしれない」と奥山さん。株を植え直すと、少なくとも収穫に1年かかるという。

 県などによると、水田も岡山、倉敷、美作市など県内の広い範囲で冠水や土砂流入の被害が発生。冠水の場合、1、2日であれば被害は限定的だが、JA全農おかやまは「土砂が稲にかぶれば光合成を妨げ、今後の生育に影響が出る」と危惧している。

 ■ キュウリやピーマンなど一部野菜が高騰 

 西日本豪雨の影響で、岡山県内のスーパーでは、キュウリやピーマンといった一部の野菜が値上がりしている。産地の被害に加え、道路の寸断などで流通が滞っているためで、九州産が最大2倍に高騰するなどしている。

 店頭では、大分県産が主力のピーマン(1袋、4、5個入り)が通常の2倍の140円程度、宮崎県産などのキュウリ(1本)は5~8割増の60~70円程度、産地が被害を受けた鳥取県産などの白ネギ(1束)は6~9割増の260~300円程度に値上がり。ホウレンソウやコマツナも高値という。

 スーパーの担当者は「不足している野菜は関東などから仕入れて代用している。徐々に交通などが回復しているので、週明けには価格が落ち着くのではないか」とみている。
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