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西日本豪雨 救援、復旧に全力挙げよう

 九州から関西を中心に広い範囲で降った記録的な大雨により、河川の氾濫や土砂崩れなどの甚大な被害が各地で相次いでいる。

 岡山、広島県などで多くの死者が出た。行方不明者や逃げ遅れて自宅などに取り残された人も多数に上っている。警察や消防、自衛隊などの関係機関は被災者の救助、捜索活動に全力で当たってもらいたい。

 大きな被害をもたらしたのは、河川の氾濫である。倉敷市真備町地区の小田川や、岡山市東区の砂川などで堤防が決壊した。真備町地区では住宅地などが広範囲で浸水し、老人ホームや住宅の屋根などに多数の人が取り残され、ヘリコプターやボートによる救助活動が行われている。

 同地区の被害の全容はつかめていない。家屋の中に閉じ込められた人はいないか。流された人はいないか。早急に安否を確認する必要がある。長期化が予想される避難生活への支援も最大限したい。

 笠岡市の自動車部品工場では裏山から土砂が流れ込み、仕事中の従業員が犠牲になった。土砂崩れも県内各地で発生した。突如として牙をむく自然の猛威だ。改めて思い知らされる。

 大雨になったのは、日本列島付近に前線が長時間停滞し、南から暖かく湿った空気が次々と流れ込んだからだ。岡山県内では、観測地点25カ所のうち20カ所で観測史上最大の48時間雨量を記録した。

 ライフラインや交通網も大きく乱れた。総社市などで大規模な停電が発生し、高梁市の広範囲で住宅への水道供給が止まっている。JR在来線はきのう、県内全線で運転を取りやめ、山陽新幹線も長時間ストップした。高速道路も県内区間が全て通行止めとなったほか、一般道も幹線道を含めて各地で冠水し、まひしている。生活や経済への影響は避けられまい。一刻も早く復旧を急ぎたい。

 気象庁は7日夜までに、岡山、広島など9府県に特別警報を出した。2013年に制度の運用を始めて以降、最大規模の発令で、岡山では初めてだった。

 出されたのが6日の夜間だったため、岡山市などで大規模に発令された避難指示は同日夜から7日未明になった。暗い中で避難すべきか、自宅にとどまるべきか、難しい判断を迫られた県民も少なくなかったのではないか。

 特別警報は大雨や暴風などがその地域で「数十年に1度の現象」になると予想される場合に出される。地球温暖化の影響が指摘され、異常気象や災害のリスクが増大している。引き続き、特別警報がいつ出てもおかしくないのだという気構えが自治体や住民に求められよう。

 大雨が終息しても、これまでに地盤が緩んだ地域では、新たな土砂崩れなどが懸念される。危険な場所に不用意に近づかないよう注意し、警戒の手を緩めずにいたい。

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