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お殿様も「単語カード」で勉強 林原美術館、池田光政の札初公開

初公開されている池田光政の学断札

池田光政画像(部分、林原美術館蔵)

 お殿様もカード式で勉強―。岡山市北区丸の内の林原美術館で開催中の「サムライの纏(まと)うもの」展で、中国の古典にある言葉と、その読み方を裏表に書いた単語カード「学断札」が初公開されている。初代岡山藩主池田光政(1609~82年)が作ったもので、学問を重んじ、自らも精励した姿を生き生きと伝えている。

 同展は、甲冑(かっちゅう)、能装束から香木まで、侍が身につけたあらゆる「モノ」を所蔵品で紹介する企画。「サムライの教養と武術」のコーナーに、「巧言令色」(こうげんれいしょく)「切磋琢磨」(せっさたくま)「克己復禮」(こっきふくれい)「きどあいらく」(喜怒哀楽)と書かれた「学断札」105枚を展示している。

 口先だけで言葉を飾ってやさしい顔をつくるという意味の「巧言令色」や、自分の欲望に打ち勝って礼にかなった行動をとるという意味の「克己復禮」などは、「論語」にある言葉。知識や徳を磨くという意味の「切磋琢磨」は「詩経」から取られている。

 学断札は、縦9・2センチ、横2・5センチに切りそろえた紙に光政が墨で書いており、専用の箱に収められていた。今回のテーマには「論語」などを並べるより適している、と披露された。

 光政は、儒学者熊沢蕃山を重用したほか、庶民の教育機関「閑谷学校」を創設するなど学問を重んじ、岡山藩の基礎を築いた名君とされる。歴代岡山藩主に詳しい神原邦男・元川崎医療福祉大教授(80)は、「光政が生きたのは、戦乱が終わり、これからは教育に力を入れたところが栄えていくという時代。大名自らが勉強したことが分かる貴重な資料」と評価する。

 ただ、学断札がいつ作られたかは不明。「書体が3、4種類あり、何度かに分けて製作されたのかもしれない。いずれにせよ自分にも厳しかった光政の姿がしのばれる」と同館の植野哲也主任学芸員(43)は話す。同展は17日まで。
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