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家族の歌を数多く詠んだ歌人の河…

 家族の歌を数多く詠んだ歌人の河野裕子さんは書いている。作って楽しいのは、特に子供たちが、日に日に変化し成長してゆく姿を再確認できるからだと(「たったこれだけの家族」中央公論新社)▼成長に従ってこちらの対応も、関係性も変わってゆく。〈子がわれかわれが子なのかわからぬまで子を抱き湯に入り子を抱き眠る〉。身体ごとぶつかり合う乳幼児の日々。だがそんな一体でいられる時期は数年間しかない▼子はいずれ親離れし、巣立ってゆく。〈ひとつ家に寝起きしてゐし日のことを大切に思ふ日この子にも来(こ)む〉。一抹のさびしさはあっても、成長を見守っていけるのが親になったありがたさだろう▼だから事件であれ事故であれ、子と親、双方の未来を奪う惨事は断じてあってほしくない。新潟市の小2女児が遺体で発見された事件はようやく容疑者が逮捕されたが、まだ怒りが収まらない▼家とは目と鼻の先での、下校中の犯行だけに、地域や学校の衝撃は大きかろう。全国でも不審者の声掛けなどが相次ぐ。見守りの目を整え、死角を少しでも無くすしかない▼ただ、思う。子供は自由に駆け、遊び、自然に触れる環境の下で成長もする。時間を忘れる道草や寄り道の楽しい思い出を持つ大人は多かろう。腹立たしいのは、街に潜む悪意がそうしたものも奪っていることだ。

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