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3年前に那覇市を訪れた時、タク…

 3年前に那覇市を訪れた時、タクシーに乗った。運転手は丁寧で優しい口調の年配男性。車内に掲げられた名札は沖縄特有の名字だった▼「沖縄は車社会なので歩く機会が少なくて」「岡山も車に乗る人が多いですよ」「電車を使う地域の人はよく歩きますよね」。健康談議の後、不意に運転手がしんみりと言った。「沖縄も戦前は各地に鉄道があったんですよ。戦争で全部壊されてしまって、戦後も米軍政下で再開できなかった」▼2003年に那覇市にモノレールが開業した時、沖縄で戦後初の「電車」と話題になったことは知っていた。だが、沖縄の人々が鉄道に寄せる思いがどれほど強いか、初めて教えられた気がした▼先の戦争で市街地が壊されたのは本土も同じだ。しかし、沖縄は自らの手で復興計画を描くことができなかった。戦後27年間にわたって米国の統治が続き、「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強引な手法で米軍は住民らの土地を接収し、基地を建設した▼沖縄が日本に復帰したのは1972年5月15日。きのうで復帰から46年を迎えた。復帰の際に県民は「基地は撤去され、本土並みになる」と期待したが、今も在日米軍専用施設の7割が集中する▼戦後生まれが国民の8割を超えた日本で、沖縄が歩んできた苦難の歴史を知らない人も増えている。知る努力を続けたい。

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