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太平洋戦争の戦況が悪化する中で…

 太平洋戦争の戦況が悪化する中で、軍需品に欠かせぬ金属を確保しようと発動されたのが金属類回収令である。家庭から置物や門柱などが、寺院からは釣り鐘や仏具が提供された▼86年前のきょう、五・一五事件で凶弾に倒れた犬養毅元首相の銅像も出身地の岡山市にあったが、供出を免れられなかった。数々の“銅像の出陣”を人々は手を合わせて見送ったという▼こちらは「平和の祭典」に向けた金属回収だが、収集ペースが思わしくないそうだ。2020年の東京五輪・パラリンピックで授与される全てのメダルを、使用済み携帯電話やデジタルカメラなどから取り出したリサイクル金属で作ろうと、昨年始動したプロジェクトである▼金銀銅を合わせたメダル数は約5千個で計8トンの金属が必要となる。携帯電話会社の店舗や自治体などで収集に努めてきたが必要量は確保できておらず、今年は全国約3千の郵便局に回収箱を設置していくという▼使用済み携帯電話をずっと手元に置いている人は少なくないようだ。思い出の写真やメールが残っており、手放し難いといった事情もあるのだろう▼とはいえ、役目を終えた製品が、どこかの国のアスリートにとって生涯の宝物に変身すると思うと夢もある。たんすや戸棚の中で眠る“お宝”にいま一度、目を向けてみるのもいいかもしれない。

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