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16日から備前焼「美の源流展」 倉敷考古館、須恵器からたどる

赤磐市出土の「須恵器 甕」(左)と「備前焼 玉垂れ四耳壺」=清水男氏所蔵

金重陶陽「菱角耳付花入」(左)と藤原啓「耳付花入」(ともに個人蔵)

 数ある焼き物の中でも最も多く、5人の人間国宝(重要無形文化財保持者)を生んだ備前焼。“土と炎の芸術”と呼ばれるルーツを探る「備前 美の源流展」が16日、倉敷市中央、倉敷考古館で始まる。古代の須恵器から現代までを通して「美の系譜」をたどるユニークな企画展だ。

 備前焼は、土と窯での焼き方だけで多彩な色や風合い(窯変)を生むが、同考古館の福本明学芸員は「窯変の技法は既に須恵器の中に芽生えがある」と指摘。考古資料と芸術品として別に扱われがちだった須恵器と備前焼を「『美』という共通の視点で見直したい」と企画の意図を話す。

 展示は、同館所蔵品に倉敷埋蔵文化財センターや個人所蔵品を加えた約70点。作品選びと展示構成には、陶芸家の児島塊太郎・同館芸術顧問も協力した。

 中でも、千年近い隔たりを超え、つながりを実感できるのが「須恵器 甕(かめ)」(7世紀ごろ、赤磐市出土)と「備前焼 玉垂れ四耳壺(しじこ)」(桃山時代、清水男氏所蔵)。張りのある似た形とともに、窯の中で降り掛かった灰(胡麻(ごま))が溶けて流れるのを生かした美意識も通じ合うよう。

 斬新な形の「環状瓶(へい)」など多様な須恵器、鎌倉、室町、桃山…と時代を重ねた古備前に加え、金重陶陽(1967年没)、藤原啓(83年没)・雄(2001年没)と人間国宝3人の計20点も並ぶ。陶陽の「菱角耳付花入」(個人蔵)、啓の「耳付花入」(同)などの中に、脈々と積み重ねられてきた技と美が凝縮して見えるようだ。

 香川俊樹館長は「考古資料の新たな見方として、多くの人に楽しんでほしい」と話す。

 6月24日まで(月・火曜休館)。図録付きで一般700円、高校・大学生600円、小中学生500円。問い合わせは同館(086―422―1542)。
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