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パリで見つけたチャーチル像 アカデミー賞映画で再注目?

プティ・パレの南角にあるチャーチルの銅像。足元には花束が飾ってあった=パリ・8区

チャーチルの進む道には「私たちは決して降伏しない」と英語で書かれている。下部はロンドンがロンドルになり、仏語表記に=パリ・8区

大韓航空のエアバスA380。こんなモノが空を飛ぶのか? と思えるくらいデカイ!=仁川空港

 先週、フランスへ行ってきました。100年以上続くワンデー自転車レース「パリ・ルーベ」の撮影のためです。フランスからベルギーに向けて走るレースはモニュメントと呼ばれ、自転車レースでは格付けが非常に高いレースです。全長約250キロを1日で走るのですが、そのうち50キロ程が「パベ」と呼ばれる古い石畳です。車でも走りづらい石畳を自転車ロードレーサーが走るのですから超過酷、別名「北の地獄」と呼ばれています。ですからパリ・ルーベの勝者は、ツール・ド・フランス勝者に勝るとも劣らない栄誉を得るのです。

 で、今年の撮影結果ですが、イマイチでした。まさにセ・ラ・ヴィ!(フランス語で、これが人生。上手くいかなかったときの言葉) です。このレースは晴れると自転車が巻き上げる土ぼこりが、雨なら泥だらけの選手が絵になるのですが、前日の雨で土ぼこりはたたず、かと言って泥だらけになる程、路面もウエットでなく中途半端でした。また来年です。

 今回の旅行は岡山ー仁川、仁川ーパリの大韓航空便でした。仁川からの飛行機はエアバスのA380です! 航空機ファン憧れの飛行機です。なぜなら日本の航空会社は就航させておらず、二階建てで上階がビジネスクラス、下階がエコノミークラス(小生はもちろんエコノミー)の超巨大機です。

 片道約12時間。シベリア上空でビビンバ(さすがに石焼きではありません)を食べて映画観賞に入りました。飛行機の良いのは封切り前の映画が見られることです。「ウインストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を選びました。この映画で主演のゲーリー・オールドマン氏がアカデミー賞主演男優賞を、彼のメイクを担当した辻一弘が同メイクアップ&ヘアスタイリング賞を獲得したのは、記憶に新しいところです。

 スマートなゲーリー・オールドマンが太った老体になっているのですが違和感が全く無く、そういう体型の俳優が演じているのでは? と思うくらい自然で、ストーリーにグイグイ入っていけました。口は悪いがユーモアを絶やさず、困った時はプライドを捨てて若い女性タイピストにも助けを求める。そんな人間味が彼の魅力です。後に雑誌で知ったのですが、彼の生涯は戦後も面白いのです。選挙に負けて下野するのですが、回想録を執筆します。その文才は素晴らしくノーベル文学賞を受賞したのでした。平和賞でなく、文学賞! すごい政治家です。

 名画を見てパリに着いたのは時差の関係で当日の夕方なので、ホテルに直行。レースまでは中3日あるので、翌朝はチャーチルを探しにセーヌ川河畔へ。チャーチルはイギリス人ですが、パリに大きな銅像があるんです。場所はプティ・パレの南角。外にあるんです。プティパレは真向かいのグラン・パレとあわせて、パリ万博の時にできた展示場・美術館です。銅像があるのは話で聞いていましたが、ちゃんと見るのは初めてです。

 杖をつきながら右足を前に歩く姿。少し猫背で荒々しいタッチの銅像は、彼の人生をほうふつとさせていました。古来ヨーロッパの覇権を争ってきたフランス人は、今でもイギリスをライバル視しているような部分があると感じていますが、チャーチルの功績はちゃんと認める! フランス人らしい気風です。そして目の前の大通りが「ウインストン・チャーチル通り」なのも驚きました。日本で外国政治家の名が付く通りなんてあるでしょうか?

 足元には「私達は決して降伏しない」と一言書かれています。映画を知ってか知らずか、ちょこちょこ立ち止まって写真を撮る観光客がいます。ただ、ほとんど観光客は素通りで、セーヌ川で最も豪華な「アレクサンドル3世橋」へ行ってしまうようです。ミーハーな小生も機内で映画観賞しなければ、来なかったはず。ボケーっとチャーチル像の前で過ごしただけでも、フランス共和国の懐の深さに感動したのでした。

 ちなみにグラン・パレの北角にはド・ゴール将軍の像があります。こちらの方がチャーチル像より随分と台座が高い! やっぱり、フランス優位主義でしょうか?

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蜂谷秀人(はちや ひでと)フリーランスカメラマン。ファジアーノ岡山オフィシャルカメラマン、日本写真家協会会員。1985年、日本大学芸術学部写真学科卒業後、山陽新聞社入社。編集局写真部を皮切りに夕刊編集部、家庭レジャー部記者を経て1995年に独立。1962年岡山市生まれ。
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