文字

農畜水産物のうま味や甘味数値化 岡山県内3研究所、品種改良へ

水産研究所で使用している味認識装置

黄ニラの味を数値で示した販促用のちらし

 岡山県の研究機関が、農畜水産物の味の「見える化」に力を入れている。桃、ブドウをはじめ、ガザミやカキ、牛肉について、甘味、苦味などを専用機器で数値化。漠然としていた「おいしさ」の評価にデータで裏付けを与え、ブランド力の向上や品種改良に役立てる。

 味の視覚化に取り組むのは、県の農業研究所(赤磐市)、水産研究所(瀬戸内市)、畜産研究所(美咲町)の3機関。それぞれ、国の補助を受け「味認識装置」(1台約1千万円)を導入。数多くの化学物質から総合的に味を感じる人間の舌の仕組みを模倣したセンサーで、甘味、うま味、酸味など9種類の味を計測できる。

 農業研究所は2013年度から分析。これまでに黄ニラ、真庭市の「蒜山こだわり大根」、瀬戸内市のキャベツ「牛窓甘藍(かんらん)」などを測定した。黄ニラは青ニラと比べ、うま味が2・7倍多く、雑味が6割少ないことが分かったのをはじめ、牛窓甘藍も他品種より甘味が強いことが判明した。

 現在は桃とブドウを調査している。桃は清水白桃、おかやま夢白桃、白麗など8種類、ブドウはピオーネとオーロラブラックの2種類。味に加えて「香り」も調べようと、昨年から香りの成分を計測する機械も導入した。同研究所は「桃、ブドウは岡山の看板果物。本年度中に魅力を数値で示したい」とする。

 海の幸も分析対象だ。水産研究所は16年度から、ガザミ、ノリなどを調査。卵を抱えた3月のガザミは、12月にとれたものと比べ、うま味や甘味が劣ることが分かった。「ガザミは漁獲量が減少している。おいしい時季をPRするとともに、卵を持ったガザミの漁獲を抑えて資源量の回復を図る」と同研究所。ノリは、味に加え「口溶け」を数値化しようと昨年、専用機を導入して調べている。

 畜産研究所は牛肉の新たなニーズに対応する。一般に脂肪交雑(霜降り)が多いほど取引価格が高くなるが、最近は健康志向の高まりなどで赤身を好む人が増えている。今秋にも味認識装置を導入し、「データを基に牛の品種改良に利用したい」とする。

 研究の成果はブランド力アップに生かされる。農業研究所は、データをホームページで公開するとともに、黄ニラと青ニラの味を比較したグラフ入りのちらしを作成。JAを通じてスーパーなどへの売り込みに利用した。水産研究所も今後、漁協と連携してちらしなどを作り、販売促進に役立てる予定。

 3研究機関が属する県農林水産総合センターは「おいしさや香りをPRする際に具体的なデータを示せば、消費者にも一層魅力が伝わる。研究を進め、販売拡大につなげたい」としている。
My記事保存
カテゴリ:

【地方経済】の最新記事

ページトップへ

ページトップへ

facebook twitter rss

▼山陽新聞社運営サイト
さんデジタウンナビ | 岡山の医療健康ガイド | マイベストプロ岡山 | 47CLUB | さん太クラブ | おかやまリフォームWEB | LaLa Okayama
山陽新聞カルチャープラザ | 建てる倶楽部 | 山陽新聞進学ガイド | 山陽新聞プレミアム倶楽部 | まいられぇ岡山 | 囲碁サロン
▼関連サイト
47NEWS | 今日のニッポン
掲載の記事・写真及び、図版などの無断転記を禁じます。すべての著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。

Copyright © The Sanyo Shimbun. All Rights Reserved.