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震災で岡山県内避難が西日本最多 復興庁の最新集計で1017人

 東日本大震災に伴う岡山県内への避難者は1017人と、西日本で唯一、千人を超えていることが復興庁の最新集計(2月13日現在)で分かった。発生から7年を迎え、元の居住地への帰郷も進む中、前年同期より1人増。岡山は比較的災害が少ないとされることもあり、住み続ける人が少なくないようだ。

 復興庁は毎月、市町村窓口で登録された避難者について、都道府県を通じて報告を受けており、全国には1054市区町村に約7万3千人が避難。県内への避難者は2015年6月の1141人をピークにやや減っているが、千人台で推移しており、今回の集計では愛知県(938人)や大阪府(744人)より多かった。

 避難者の元居住地の内訳は、福島第1原発事故があった福島県が252人(24・8%)で最多。東京都241人(23・7%)、神奈川県131人(12・9%)、千葉県114人(11・2%)―と続く。岩手、宮城、福島の「被災3県」は計318人(前年同期比15人減)と全体の31・3%を占めている。

 県内の避難先は18市町で、岡山市580人、倉敷市131人、総社市117人―の順。入居先は民間賃貸住宅が最多の557人で、親族・知人宅336人、公営住宅117人など。

 県危機管理課は「岡山は災害が少ない印象が強く、関東地方からの避難者が増えているようだ。今後も交流会の開催や情報提供などの支援を続けていく」としている。

■岡山に住み続ける「現象」 官民一体支援が背景

 東日本大震災の被災地や首都圏からの避難者が岡山に住み続ける“岡山現象”を研究している後藤範章日本大教授(61)=都市社会学=が報告書をまとめた。県内各地に発足した民間支援団体が多角的な取り組みを行い、行政によるサポートシステムも構築された官民一体の受け入れ支援が背景にあると分析。さらに、自分の価値観を持って行動する避難者の存在が、地域に良い刺激になっていると考察している。

 後藤教授は、福島県や東京都などから避難先として岡山が選ばれていることについて、災害の少なさなど地理的条件以外にも理由があるとみて調査に着手。2011年8月~17年3月の5年7カ月間にわたって避難者と支援団体のメンバー計36人に聞き取りをして、分析結果をまとめた。

 報告書では、震災5日後に地元住民が立ち上げた「おいでんせぇ岡山」(岡山市)をはじめ、避難者や住民らでつくる「よりはぐプロジェクト」(倉敷市、11年5月発足)や「せとうち交流プロジェクト」(瀬戸内市、同12月発足)など12の支援団体をピックアップ。住民との交流会や住まいの相談といった活動を紹介して、「避難者・移住者を引き寄せ、地域に定着させていく上で大きな役割を果たしている」と評価した。

 うち4団体が13年12月~16年7月にNPOなど法人化した点に注目。「組織の基盤を固め、中長期的な見通しと目標を掲げている。岡山の支援は、明らかに新たなステージに突入している」と指摘している。

 支援団体の活動とともに、避難を後押ししている要因として岡山市の施策に言及。13年に設けた「移住・定住支援室」が避難者と支援団体の橋渡しを行うようになり、翌年にはワンストップで相談に応じる官民連携の「移住・定住支援協議会」を設立。16年4月に設置した東京の移住相談窓口を含めた一連の施策が、避難者の移住・定住に結び付いたとの見方を示した。

 報告書ではまた、岡山の避難者の傾向として「幅広く情報を集めて合理的に判断、実行でき、有能でフットワークの軽い人が多い」と分析。避難者の行動が岡山の地域コミュニティーの在り方に影響を与え、地域のポテンシャルを高めているとした。

 後藤教授は「東京一極集中で地方が衰退する中で、岡山現象は移住支援の成功事例。地域の活性化策を考える上で有効な材料になる」と話している。
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