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「どうぶつしょうぎ」の海外普及〜その3〜

 ドイツ・日本デーの将棋コーナー

 2011年は毎週どこかに出掛けていて、休む暇がほとんどなかったように記憶しています。

 日本国内は北海道から沖縄まで、文字通り全国を駆け巡り、延べ5000人以上に「どうぶつしょうぎ」を教えました。

 東日本大震災の影響で、非電源のボードゲームが交流ツールとして用いられることも多く、震災からちょうど2カ月後には、被災地の幼稚園や避難所を回り、「どうぶつしょうぎ」の教室や将棋教室を開催するボランティア活動に行きました。

 どこも大変な状況でしたが、ほんのひとときでも子どもたちの笑顔が見られてよかったです。

 このころから「ユニバーサル」という意識を強く持つようになり、点字の「どうぶつしょうぎ」を作ったり、聴覚支援学校に教えに行くなど、将棋や「どうぶつしょうぎ」を通じて、誰もが交流できるよう願って活動を続けています。

 海外の方に向けて、インターネットでの発信にも力を入れました。ルールペーパーを多言語化してフェイスブックで公開。オンラインの国際対局場「81dojo」にサーバーを作っていただいて、インターネットで世界大会を開催しました。

 英文入り「どうぶつしようぎ」の問題集を作り、ドイツのヤーパン・ターク(日本デー)では、片言のドイツ語で説明をしました。

 台北で将棋イベントを開き、上海のゲーム祭に「どうぶつしょうぎ」のブースを出展、ストックホルムの大学で授業を行い、どの土地にも「将棋の普及のために」と協力してくださる方々がいて、その熱意によって広がりは加速していきました。

 恐らく「将棋をやってみたい」という需要は潜在的にあったのでしょう。ただ入門用のツールが不足していました。

 可愛い絵柄と誰でも始められる簡単なルールのおかげで、「どうぶつしょうぎ」は2011年の米インターネット通販大手・アマゾンのおもちゃ部門の年間ランキングで1位になりました。

 携帯アプリもリリースされ、子ども向けのお菓子や通信教材、雑誌ともコラボして、私自身が予想もしていなかった方向へと成長します。

 沖縄、福岡、栃木ではその土地の特色を入れたイラストでご当地版「どうぶつしょうぎ」が誕生し、12年6月、とうとう念願の外国の言語に対応したローカライズ版が発売になりました。

 ポーランド語で「ロボットの闘い」という名のタイトルで、6歳から大人までを対象としたロボットのグラフィックになりました。

 日本の伝統文化から生まれたミニ将棋は、ヨーロッパで新しいボードゲームとして独り立ちしたのです。(北尾まどか)

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