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高裁支部も性別変更申し立て棄却 新庄の臼井さん即時抗告審

即時抗告の棄却を受け、記者会見で思いを語る臼井さん(中央)

 女性に生まれながら男性として生きたいと願う性同一性障害の臼井崇来人(たかきーと)さん(44)=岡山県新庄村=が、性同一性障害特例法で事実上の要件とされている性別適合手術を受けないまま戸籍上の性別変更を求めた家事審判の即時抗告審で、広島高裁岡山支部は12日までに、申し立てを退けた岡山家裁津山支部の決定を支持し、臼井さんの抗告を棄却した。生殖能力をなくす同手術を要件とする規定は違憲と主張する臼井さん側は同日、最高裁に特別抗告した。

 決定理由で松本清隆裁判長は、戸籍上の性別が変更された後、元の性別の生殖能力に基づいて子が生まれれば法秩序に混乱を生じさせかねず、立法目的は正当と指摘。「性別変更の要件をどう定めるかは基本的に立法の裁量に委ねられており、憲法に反するとは言えない」とした。

 決定は9日付。臼井さんは特例法の規定が「自己決定権を侵害する」として、2016年12月に岡山家裁津山支部に性別変更を申し立てたが、17年2月に却下されていた。

「思い届かず」にじむ脱力感

 「期待を込めて決定を待っていたのに…」。戸籍上の性別変更の要件緩和を求めて広島高裁岡山支部に申し立てた即時抗告が退けられた臼井崇来人さん。12日、岡山市内で会見し、脱力感とやり切れない思いをにじませた。

 臼井さんは即時抗告後の約1年の間にも性的少数者(LGBT)への社会の理解は進んできたと感じていたというが「司法には届いていなかった。『あなたには希望通りの人生は送らせません』と言われたような気がして、諦めの気持ちになってしまう」と嘆いた。

 最高裁に判断を仰ぐことを決めた心境を「単純な男女二元論の枠組みに当てはまらない人をどうするか、法律家や政治家、市民らが対話を重ね、新しいルールを決めるきっかけになれば」と語った。

 臼井さんと一緒に暮らすパートナーの山本幸さん(40)も同席し「裁判所は少数者を助けてくれない所だと感じて悲しい」。臼井さんの代理人の大山知康弁護士(岡山弁護士会)は「人の体にメスを入れることを強要する法律は行き過ぎている」と、改めて疑問を投げ掛けた。
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