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バス廃止届「市民の足なくなる」 驚きと困惑、県など対応協議

両備グループをはじめ、多くの路線バスが乗り入れるJR岡山駅東口のバスターミナル

 両備ホールディングス(HD、岡山市)が来年3月末までに赤字のバス31路線を廃止する方針を発表した8日、対象路線を抱える岡山県内の自治体には驚きや困惑が広がった。かつてない規模の廃止方針を受け、県は急きょ、関係市の担当者を集めて対応を協議。首長らからは「廃止が現実となれば、市民の通勤通学の足がなくなる」との懸念や運行継続を求める声が上がった。

 「31路線もの廃止届で驚いている」。同日朝、県庁を訪れた両備関係者から報告を受けたという県県民生活交通課の和仁敏行課長は困惑の表情を浮かべた。

 午後6時半ごろ、県は対象路線がある岡山、倉敷、玉野、瀬戸内市と中国運輸局岡山運輸支局の担当者を県庁に集めて緊急会議。両備HDが今後の状況次第で廃止届撤回も示唆していることから、当面は同社の動向などを情報共有していくことを確認したという。

 県はバス事業者に対し、採算が見込めない生活路線の運行費の一部を助成しており、今回の31路線のうち広域の4路線に支出している。和仁課長は「(両備HDには)移動手段をどう守るかの観点で考えてほしいという思いもあるが、廃止届が出た以上は影響を最小限に抑える方策を検討したい」と語った。

 路線廃止の方針は関係市にも衝撃を与えた。岡山市では、乗降客が多いJR岡山駅や百貨店などを発着・経由する24路線が含まれ、大森雅夫市長は「公共交通は市民の足であり、廃止届の提出は残念だ。本当に廃止されれば影響は大きい」と不安を口にした。

 玉野市は光南高や工業団地などを経由する8路線が対象。黒田晋市長は「多くの市民が恩恵を受けている不可欠な路線だ。何とか維持してもらえるよう両備HDや関係機関にお願いしたい」と語った。

 市域を走る6路線が廃止方針となった倉敷市の担当者は「突然で大変困惑し、強い危機感を抱いている。現時点ではどれだけの市民に影響が出るか算出できない」。瀬戸内市の高原家直副市長は、同市牛窓地区と岡山市東部を結ぶ2路線が廃止候補となり「通勤、通学に利用している市民もいる。今後の動向を注視しながら対応を考える」と話した。

 「いきなり」住民に動揺広がる

 両備ホールディングスがバス31路線の廃止方針を発表した8日、対象路線の利用客や沿線住民の間には動揺が広がった。業界団体などは路線バスの在り方について地域ぐるみで議論を深める必要性を指摘した。

 廃止路線の一つ、JR岡山駅と岡山市中区を結ぶ操南台団地線。沿線の町内会長(69)は「路線維持に向け、町内会として住民にバス利用を呼び掛けてきた。廃止を報道でいきなり知ることになり、戸惑っている」と話した。廃止路線の停留所に近い玉野光南高(玉野市)は、木村大副校長が「バス会社からも行政からも通知がなく、何も申し上げようがない」。

 多くの路線バスが乗り入れるJR岡山駅東口ターミナル。バスを待っていた岡山市の男性(66)は普段の移動にバスや電車を利用しているといい「運行をやめると発表する前に、まず利用者を巻き込んだ議論が必要だったのでは」と言った。

 岡山県内のバス事業者でつくる県バス協会(岡山市)は「児童生徒、高齢者といった車を運転できない人の足を守るため、それぞれの地域で自治体を中心に考えていかなければならない」。中国運輸局(広島市)は「(廃止届は)経営判断により提出されたものとして粛々と対応するが、路線が完全に廃止されれば多大な影響が懸念される。自治体や地域住民、事業者も含めて協議し、交通手段を確保していく」と述べた。

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