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地域交通網維持に早急な議論を 両備HD会長「法改正が必要」

バス路線の廃止届提出を発表する小嶋会長(中央)ら=岡山市北区錦町

 両備ホールディングス(HD、岡山市北区錦町)は8日、グループ2社が運行する路線バス78路線のうち、赤字幅の大きい31路線について廃止届を中国運輸局に提出したと発表した。期日は20路線が9月末、11路線が来年3月末。廃止理由については岡山市中心部でのバス事業の過当競争を挙げる一方、状況によっては取り下げる可能性も示唆した。

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 競合他社による新規参入に伴い、赤字路線の廃止届提出という形で公共交通の在り方に一石を投じた両備HD。規制緩和で需給バランスが崩れ、バス事業の経営環境が悪化する中、関係者は早急な議論を迫られる。

 バスの事業環境を激変させた要因の一つは2002年の道路運送法改正だ。供給輸送力が輸送需要量に対し、不均衡とならないよう調整する「需給調整規制」が撤廃され、新規参入や路線開設は免許制から許可制へと変更された。路線の休廃止も6カ月前までの届け出で行えるようになった。

 業者の“出入り”の自由化は競争の激化を引き起こした。政府の交通政策白書などによると、全国のバス事業者の7割が赤字状態(14年度)となり、乗り合いバス路線の廃止は14年度までの9年間に全国で計1万4千キロ余りに上った。経営破綻も相次ぎ、12年10月末には井笠鉄道(笠岡市)がバス事業を廃止した。

 会見で両備HDの小嶋光信会長は「人口が増える首都圏ならともかく、先細りする地方の路線を維持するには利用者と事業者、どちらの利益も追求できる法改正が必要だ」と訴えた。

 岡山市では両備HDの2社に加え、宇野自動車、中鉄バスなど8社が運行する。多くの事業者が同一地域で路線を維持している状況を、ある関係者は「限られたパイを多数で奪い合う特殊な状況にある」と指摘。別の関係者は「それぞれの思惑が強く、何かを協議しようにもまとまらない」とみる。

 岡山大大学院の阿部宏史教授(交通計画学)は「全国的にバス事業の将来は見通しにくい。行政、利用者、事業者が地域にとって何が必要なのか、しっかりと考え、コンセンサス(合意)を得ていくことが大切だろう」としている。

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