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インフル「治癒証明書」は必要? 県内学校23市町村要提出 受診負担に

インフルエンザ患者の受診が増えている小児科医院。治癒証明書の依頼も多いという=岡山市

岡山県内の学校のインフルエンザ治癒証明書(画像の一部を加工しています)

 全国で猛威を振るっているインフルエンザで、岡山県内の多くの学校では、出席停止となった児童生徒が登校を再開する際に必要な手続きがある。医療機関による「治癒証明書」の提出だ。感染の拡大を防ぐためだが、保護者らからは「なぜ必要なのか」と疑問の声も上がっている。発症からどの程度の日数で登校できるかの基準が示されているにもかかわらず、再受診しなければならないことが負担となっているようだ。

 1月下旬。インフルエンザによる学級・学校閉鎖が相次ぐ中、岡山市内の小児科医院は混み合っていた。待合室ではぐったりした様子の子どもに交じって、治癒証明書をもらうために訪れた親子の姿も見られた。

 「証明書がないと学校へ行けないから」と小学5年の男児に付き添った母親(42)。男児は6日前に発症し学校を休んだが、熱も下がって出席停止期間は終わったと判断できる状態といい、母親は「治ったのにまた病院で別のインフルエンザに感染しないか心配」と苦笑いする。

 学校保健安全法はインフルエンザに関して、小中高校や大学の出席停止期間の基準を「発症後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」と定めている。発症日は算入しないため、最短でも6日間は登校はできない。同法は証明書について明記していないが、県内では23市町村教委と県教委が「必要」としている。

 一般的に証明書は、学校の所定用紙に医師が記入する。受診が必要で料金がかかる場合もあり、「子どもの証明書のために仕事を休んだ」「お金を払ってまで提出しないといけないのか」と保護者らは不満を漏らす。一方、「医師に診てもらい大丈夫と証明されることが安心感につながる」との意見もある。

 学校や医療機関に聞くと、提出を求めている県南の小学校の養護教諭は「証明書がないと治っていないのに登校してしまうこともある。手間がかかるのは理解できるが、感染が広がる方がデメリットは大きい」と説明。県内のある小児科医は「インフルエンザの流行期は患者が殺到し、証明書を出すことが負担になっている」と打ち明ける。

 他県でも証明書を「必要」としているところは多いが、沖縄県は全県的に「不要」のスタンスで、各教育機関に対し、患者から提出を求めることを控えるよう要請。家庭や医療機関に配慮した対応といい、保護者らが日々の体温を記入した書面を出すことで、出席停止のルールが守られるようにしている。同様に県内でも瀬戸内、総社、高梁市、鏡野町の4教委が「不要」としている。

 今季は患者数が過去最多ペースで推移しているインフルエンザ。土日祝日も診療に当たっている青山こどもクリニック(岡山市)の小川誠副院長は「患者や保護者、医師の負担も考えながら、教育現場が医療機関としっかりと話し合い、治癒証明を含めたインフルエンザの対応を考えていくことが求められる」と話している。
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