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「どうぶつしょうぎ」の海外普及〜その2〜

 将棋ブースで多面指し

 「どうぶつしょうぎ」は、海外の将棋愛好家の方にも好評でした。

 ヨーロッパでは随分前から将棋が知られており、各地の将棋グループがそれぞれ地道な普及活動を続けています。

 日本の文化を伝えるフェスティバルや、ゲームフェアに近隣の将棋クラブがブースを出して、将棋のデモンストレーションやレクチャーを行ってクラブのメンバーを増やしています。

 チェスプレーヤーが多い国において、将棋のゲーム性を伝えるのはさほど難しいことではないのですが、壁となるのは漢字。通常の駒では判別をするのが難しいため、矢印で方向を示した、くもん出版の「スタディ将棋」が活躍しています。

 2010年、「どうぶつしょうぎ」のデザイナーである藤田麻衣子さんと一緒にカンヌのボードゲーム祭に行きました。

 広々としたイベント会場の1区画に伝統ゲームが集まっていて、その一角に将棋があります。

 フランス将棋連盟が毎年将棋を教えているコーナーで、4日間のイベント期間中、平日は小学校の子どもたちが先生に引率され、土日は家族連れがたくさん訪れます。

 ブースは常に満席状態で、スタッフの皆さんも私たちも朝から晩までひっきりなしに説明を続けました。

 「どうぶつしょうぎ」は子どもたちに大人気で、その様子を見たオーストリアのゲーム祭の主催者の方にぜひ来てほしいと言っていただきました。

 前年にドイツのエッセンシュピールに持っていった効果でしょうか、すでに情報が広まっていたようで、イタリア将棋協会の方が「どうぶつしょうぎ」のイタリア語で書かれたルール表を作って持ってきてくださったり、別のブースでお手製の「どうぶつしょうぎ」を見つけるなど、感動の出会いがたくさんありました。

 そして、この時に販売したのが「おおきな森のどうぶつしょうぎ」です。

 私の3×4将棋(「どうぶつしようぎ」のルール部分)と時を同じくして作られた藤田さんの動物の駒たちは、将棋の動物版であると同時に「どうぶつしょうぎ」のバージョンアップという形でデビューしたのです。

(1)「どうぶつしょうぎ」で将棋の基本ルールを理解し(2)「おおきな森のどうぶつしょうぎ」で本将棋のルールを覚え(3)漢字の駒で対局できるようになる―という一つのメソッドが生まれました。

 この時に毎日、将棋ブースに通ってくれたフランスのジュニアのチェスチャンピオンは、「どうぶつしょうぎ」から始めて、4日目には私と6枚落ちでいい勝負をするまでになりました。

 夜な夜なホテルでシールを貼って袋詰めした動物さんたちは、子どもにはもちろんのこと大人にも愛されて、あちこちに飛び立って行ったのです。(北尾まどか)

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