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「どうぶつしょうぎ」の海外普及〜その1〜

 2008年夏のイベントで「どうぶつしょうぎ」をする、駒をデザインした藤田さん(左)

 藤井聡太四段の大活躍と羽生善治二冠の永世七冠の偉業達成で、将棋ブームが巻き起こった2017年。年が明けてもまだまだ盛り上がっていきそうです。

 将棋の話題が各メディアに取り上げられる回数が増えるとともに、英訳された情報が海外に発信されることも増えました。

 このコラムにも登場したベラルーシの将棋プレーヤーの姿が日本のテレビに登場するなど、海外の将棋事情が伝えられる機会も多くなり、世界への広まりを実感しています。

 さて、私の作った「どうぶつしょうぎ」は発表からちょうど10年。今や外国の小学校の授業でも使われるようになり、国内外での関連商品を合わせて累計100万部を突破しました。

 「どうぶつしょうぎ」を作ったきっかけは、私が講師をしていた将棋教室に、全く将棋を知らない4歳の男の子がやってきてルールから教えたこと。

 幼いので漢字どころか平仮名も読めず、それでもテレビで目にした将棋をやってみたいと言ったそうで、親御さんがインターネットで検索して教室を探し、連れてきたのです。

 教えるためにいろいろなことを考えました。なるべく文字を使わず絵で分かるテキストを作ったり、簡単なルールで将棋の基礎を伝えようと工夫しました。

 そうしているうちにできたのが「どうぶつしょうぎ」の原型である「3×4しょうぎ」です。

 藤田麻衣子さんがデザインした動物の駒と相まって「どうぶつしょうぎ」となりました。

 販売目的で作ったものではないのですが、売ってみたらという話になり発売したところ大好評をいただきました。

 購入してくださるのは主にお母さま方。「子どもに将棋をやらせてみたい」という潜在的な需要はずっとあったものの、「難しそう」というハードルが高かったのだと思います。

 「初めての方でも、遊びながら将棋の基本が覚えられる」。つまり詳しい者が教える必要がなく、物が広まれば伝わるのです。そしてそれがどこにでもある本屋さんという場所で販売されたのは、とても大きなことでした。

 将棋をもっとたくさんの方に知ってほしい、という思いはずっと以前からありました。

 将棋プレーヤーは圧倒的に男性が多く、将棋道場は子どもかご年配の方の比率が高い。もし同数の女性が興味を持ってくれれば将棋人口は倍になります。

 子どもたちが増えればこの先ずっと続いていきます。そして世界に伝えられれば億単位の人々に広まっていくと思いました。

 普及ツールとして実績ができた「どうぶつしょうぎ」。「これを持って海外へ行こう!」と心に決め、早速ドイツのボードゲームフェアへ行きました。

 言葉の違う国でも伝えられるのがイラストの良さです。やさしい木製の駒とかわいらしい動物たちのイラストは外国の子どもたちにも人気で、たくさんの親子連れがブースに立ち寄って「どうぶつしょうぎ」を体験し、さらに将棋にも興味を持っていただき、そして購入してくださいました。

 海外普及のはじめの一歩は、確実な手応えとともに大きな期待を抱く、好調な滑り出しでした。(北尾まどか)

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