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列島に寒波が襲来し、日が陰ると…

 列島に寒波が襲来し、日が陰ると身が芯までも凍るようだ。そんな夜は鍋と決まりか。美食家だった北大路魯山人も、冬に最も歓迎される家庭料理に鍋を挙げた。クツクツと出来たてを食べるのが楽しみで、「なべ料理ほど新鮮さの感じられる料理はない」(「魯山人味道」中公文庫)▼その主役の一つ、野菜が今冬は高い。天候不順の影響とかで、しばらくこの傾向が続くという。それでも旬の野菜のみずみずしさはこの時季ならではのごちそうである▼ずっしりと重い白菜。葉先がぴんと張ったホウレンソウ。霜に当たり、寒くなるほど甘くなるというから、冬を耐えてこそ凝縮する味なのだろう▼買って食べきれない分は新聞紙で包んで保存する人も多いのではないか。料理本なども勧めている。通気性や保湿性がある。いまはレジ袋が主流だが、昔の八百屋には必ず包装用の古新聞が積んであった▼古新聞を「シンブンガミ」と呼んだのは作家の向田邦子さんである。これほど便利なものはなかったと書いている。玉子焼きのフライパンふき、習字の練習、洋裁の型紙。ぬれた客の靴に丸めて入れて湿り気をとるのが少女の頃の役目だった▼そんな昭和からデジタル時代になっても、読み終えた新聞はさまざまにリサイクルされる。物を包んだくしゃくしゃの姿も作り手の側にはいとおしい。
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