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ヨーカドー跡 マンションなど整備 両備グループが再開発計画発表

イトーヨーカドー岡山店跡の再開発計画の完成予想図。最大の建物がマンション棟

イトーヨーカドー岡山店跡(中央右)などがある「ジョイフルタウン岡山」

 両備グループ(岡山市北区錦町)などは25日、イトーヨーカドー岡山店跡(同下石井)の再開発計画を発表した。高層マンションやオフィス、店舗など5棟を整備。2021年度の完成を目指す。総事業費300億円。2月末の閉店以降、跡地の活用方針が示されるのは初めて。

 事業名は「杜(もり)の街づくりプロジェクト」(仮称)。複合施設「ジョイフルタウン岡山」の敷地約3万8千平方メートルのうち、南東側約1万7千平方メートルを活用する。

 5棟は計延べ約10万5千平方メートル。最大のマンション棟(地上37階地下1階延べ約5万2千平方メートル)は高さ134メートルで岡山県内最高となる見込み。300戸前後を分譲・賃貸する。店舗棟(地上3階地下1階延べ約2千平方メートル)も併設する。

 市役所筋沿いのオフィス・商業棟(地上9階地下1階延べ約2万4千平方メートル)は3~9階がオフィス。北隣の商業・ヘルスケア棟(地上6階地下1階延べ約1万3千平方メートル)は3~5階が健康づくり施設で、同規模の立体駐車場と接続する。両棟の1、2階は商業テナントなどを見込む。

 全体のデザインは岡山市出身の工業デザイナー水戸岡鋭治さんが監修。各棟の間を緑化した街路で結び、階段状のビル屋上には小農園や水路を設ける。商業施設は食品などの物販、レストラン、スポーツジムといったテナントを想定。フロア構成など詳細は今後詰める。

 事業主体はグループ中核の両備ホールディングス(HD、同錦町)が全額出資する特別目的会社(SPC)。同じくHDが単独出資し、ジョイフルタウン岡山の不動産の権利を持つ別のSPCから用地部分の権利を購入し、18年1月から半年程度かけて旧店舗を解体。5棟を新設、運用する。

 同市内で記者会見した両備グループの小嶋光信代表は「岡山のまちづくりにとって非常に大切な場所。歩いて楽しく子どもが喜ぶ、世界に通用する“街”にしたい」と述べた。

 イトーヨーカドー岡山店は1998年、ジョイフルタウン岡山の核テナントとしてオープン。14年12月、約400メートル北に開業したイオンモール岡山との競合などで撤退した。ゲームセンターなどがある同タウンの北側エリアは当面、現状を維持する。

収益基盤確立を急ぐ

 両備グループなどが25日発表したイトーヨーカドー岡山店跡の再開発計画は、安定した賃料や分譲収入を見込めるマンションやオフィスが中心で、事業の収益基盤確立を急ぐ姿勢が色濃く表れた。既存の都市機能との競合を避けつつ、着実な投資の回収を優先させた現実的な内容と言える。

 事業主体の特別目的会社は両備グループの100%出資だが、総事業費約300億円の多くは金融機関などから調達。融資を引き出すため、採算性を慎重に見極めたとみられる。

 計画策定に当たり、大型ショッピングセンターについては、同店がイオンモール岡山との競合の末に閉店した経緯を踏まえ、構想から除外。JR岡山駅前地区でコンベンション施設やホテルを含む再開発構想が浮上したこともあり、選択肢は狭まっていた。

 計画の中核に据えたオフィスとマンションは、景気回復や都心回帰の動きもあり、岡山市中心部で需給が逼迫(ひっぱく)。地元不動産業者は「オフィスの空室率は低く、賃料相場が上昇中。マンションは中古でも新築同様の価格で取引されている」と話す。

 一方、注目されていた集客機能は、計画に商業・ヘルスケア棟などを盛り込んだものの、全体に占めるスペースは限定的で、インパクトに欠ける印象は否めない。

 今回、再開発するエリアは、ジョイフルタウン岡山の敷地全体の4割強を占めるが、ゲームセンターなどがある北側の敷地は手つかずのまま。当面は現状維持としつつも、関係者が段階的な開発に意欲をみせた北側エリアが今後の焦点となる。

 収益性を確保した上で、将来の都市の活力をどう高めていくか。地域に根差した企業として、県都のにぎわい創出に貢献していく視点が欠かせない。
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