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日本20世紀遺産に「瀬戸大橋」 イコモス国内委選定

つり橋の技術が高く評価された瀬戸大橋。手前から南備讃瀬戸大橋、北備讃瀬戸大橋と続く

建設中の北備讃瀬戸大橋。太いケーブルを渡して橋桁を支えるつり橋の新たな技術を確立した=1985年12月

 有識者でつくる国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会は8日、後世に残したい「日本の20世紀遺産20選」として、岡山、香川県を結ぶ瀬戸大橋や、日本で最初に開業した東海道新幹線、明治以降の建築で初めて国宝になった東京都の迎賓館赤坂離宮などを選んだ。

 番外として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている原爆ドームの関連施設、広島平和記念資料館と平和記念公園も選定した。

 瀬戸大橋は、島伝いに架けられた六つの橋などで構成する道路鉄道併用橋。今回の選定では、南端の南備讃瀬戸大橋と、北側に連なる北備讃瀬戸大橋が対象となった。両橋ともつり橋で、長さが1648メートル、1538メートルと瀬戸大橋の中でも1、2番目に長い。

 荷重の大きい鉄道部分も含めて瀬戸内海に長大橋を連続して架けた高い技術力が評価され、20選の中でも上位に位置づけられた。

■価値再認識し地元活用に期待

 瀬戸大橋が「日本の20世紀遺産20選」に選ばれた。車や列車で利用する身近な橋が、時代を代表する高い価値を有することがあらためて示された格好だ。

 倉敷市と坂出市を結ぶ瀬戸大橋は全長9・4キロ。本州四国連絡橋公団(現・本四高速)によって約10年をかけて建設され、1988年4月に開通した。多くは香川県側に属するが、岡山、香川両県が同額の出資をして建設や運営を支えてきた。

 今回対象となった南備讃瀬戸大橋と北備讃瀬戸大橋は建設当時、道路鉄道併用橋として橋脚の間が世界1、2位の長さ。現在でも世界2、3位という。

 備讃瀬戸という潮流が速く国際航路として船が行き交う海域に長大橋を架ける困難なプロジェクトだった。東京都内の記者会見で、イコモス国内委員会で20世紀国内学術委員長を務める山名善之東京理科大教授は、橋脚を造るための海中発破や橋を吊るケーブルなど多様な新技術開発があったことを指摘し、「吊り橋技術の最高峰で世界に誇りうる」と語った。

 一つの橋の長さでは98年に開通した兵庫県の明石海峡大橋(3911メートル)の方がはるかに長いが、同橋は道路のみ。荷重の大きい鉄道も通す瀬戸大橋の技術力の高さをより評価した。

 瀬戸大橋のうち南北備讃瀬戸大橋だけを対象としたことについてイコモス側は「両橋は技術的チャレンジが顕著だった。全部まとめてより、絞った方がメッセージ性が高くなる」としている。

 イコモス国内委事務局によると、瀬戸大橋などの土木遺産や産業遺産をめぐっては、その価値は一般的にはあまり認識されていないという。山名教授は今回の選定が将来的に世界遺産につながる可能性も指摘しながら「価値を再認識し、選定を地域づくりに役立ててほしい」と地元の活用に期待感を示した。
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