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ミニ・トランポリンで楽に運動 エネルギー消費に効果

水の浮力により、膝への負担を減らして歩行ができます(写真提供OSK)

上下運動が楽にできるミニ・トランポリン(写真提供OSK)

シートの反発力が低い為、競技用トランポリンのように高く飛ぶことはできません(写真提供OSK)

競技用トランポリン(写真提供OSK)

 今年も岡山マラソンには、全国から約1万6千人が出場しました。さらにボランティアは、5千人を超えたそうで、出場選手もボランティアも年々増えているようでうれしいことです。私が注目したのはボランティアの皆さんです。地域の住民、児童・生徒・学生など老若男女にあふれていました。「本当は走りたかったけど、抽選に漏れた。走るのは苦手だけれど見るのは好き。せっかくのイベントなので応援したい」等々事情は様々のようですが、選手はもちろん、ボランティアにも体重の重そうな方はあまり見られませんでした。

 走ることはブームでもあり健康に良いことは承知ですが、苦手、嫌いといった方もいらっしゃるようです。確かに体重の重い方は、足首、膝などの関節への負担が大きく、走ることが苦手な方が多いようです。

 そこで、今回は体重の重い方でも「楽に」エネルギーを消費できる運動を紹介します。

 肥満と判定された方が医療機関へ行くと、メディカルチェック・運動負荷試験⇒食事制限⇒ストレッチング⇒ウオーキング⇒筋力トレーニングや有酸素運動といった流れで運動処方されることが一般的です。トレーニングは、単調な動きで飽きが来ないようにトレーニング・マシンのみならずチューブや自重を用いたり、水の抵抗を利用する運動を行うことも有効です。

 特に、水の抵抗を利用する水中ウォーキングなどは、浮力により下肢への負担が軽減するために「楽に」運動することができます。しかしながら水中運動にも特有の注意点がありますので、インストラクターのいるスイミング・クラブなどで実施することが安全です。スイミング・クラブなどでは、レクリエーションやダンスの要素を取り入れて、楽しく行えるように工夫・実施されています。

 下肢に傷害のない場合には、ミニ・トランポリンを利用した運動も有効です。結論から言えば、ミニ・トランポリン上では、楽に30分以上の連続ジャンプ(正確には、ミニ・トランポリン上では、トランポリンの反発を利用し、シートから足があまり浮くことがなく、膝関節の屈曲伸展を伴う連続した身体の上下運動ができます。はたから見るとジャンプをしているような動きに見えますので、ここでは広義に捉え便宜上、ジャンプと標記します。)が行え、多くのエネルギーを消費させることができます。

 運動の強さを表す指標の一つとして、全力運動を行った時に、一分間当たりに体に取り込むことができる酸素量の最大値を用いることがあります。これを最大酸素摂取量といいます。一般成人の平均値が男性では約40ml/kg/min.程度なのに対し、マラソンのエリート選手などは、90ml/kg/min.を超えることもあります。

 私達が以前行った研究では、ミニ・トランポリン上での毎分100回のテンポの上下運動は、最大酸素摂取量の65+8%に相当し、毎分120回のテンポの上下運動は、54±8%に相当しました。

 同じテンポの身体上下運動又はジャンプを陸上で行うと、毎分100回テンポのジャンプは、最大酸素摂取量の78±8%、毎分120回テンポのジャンプは、80±9%といった非常に高い強度になりました。

 陸上では、運動強度が高く、非常にきついと感じるようなジャンプも、ミニ・トランポリン上では、シートの適度な反発により運動強度が低くなり、楽に上下運動を続けることができるのです。

 ミニ・トランポリン上のジャンプ運動では毎分100回テンポなら40分で、毎分120回テンポでは60分で約300Kcalを消費します。これは体重60kgの人が約5kmをジョギングした時のエネルギー消費量とほぼ等しくなります。フィットネスクラブでは、これらのテンポに合わせた音楽を用い、ウオーミングアップ、足踏み、ジョギング運動、ジャンプ運動、クーリングダウンを組み合わせて60分から90分のプログラムを行っているようです。

 ジョギングやランニングがおっくうだと思われる方は、一度ミニ・トランポリン上での運動を経験してみてはいかがでしょうか。運動前には、当然ながらトイレを忘れずにお願いします。

   ◇

三浦 孝仁 みうら・こうじ Ph.D. 岡山大名誉教授。公益財団法人岡山県体育協会スポーツ医・科学委員会委員。一般財団法人岡山市体育協会理事・スポーツ振興委員会・委員長。岡山県パワーリフティング協会・理事。スポーツ教育・指導・研究やキャリア教育などに長年携わり、岡山大在職中に顧問を務めた同大ウェイトトレーニング部は10度の全国制覇を果たした。著書に「筋トレっち 走れるカラダの育て方」(東邦出版)など。早稲田大卒、日本体育大大学院修了。1957年生まれ。
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