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旋盤工として働きながら、作家活…

 旋盤工として働きながら、作家活動もしてきた小関智弘さんが、ある大手メーカーを訪ねたときのこと。特殊な金属を炉で溶かし、半導体の原料を作る現場を見学した▼電子制御の最新の機械だが、若手が作業をすると4割も不良品が出る。完璧な品を作るベテランに聞くと、金属の微妙な色の変化に応じて操作していた。だが、最新技術でも人の目ほど繊細に色を読み取る装置は作れないという▼製造業の現場では機械任せにできない作業が少なくない。人間が技や経験で補っていると小関さんは著書「仕事が人をつくる」で紹介している。気を抜けば不良品ができかねない。極めて重要なはずの品質管理で、不正が相次いでいる▼日産自動車、神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアル―。今度は経団連に会長を出している東レである。名だたる企業やその子会社が、製品検査でデータ改ざんなどを行っていた。多くは手間やコストを惜しんだ結果だ▼記者会見で東レ社長は、他社の件がなければ公表しなかったと述べた。ものづくりの誇りはどこへ行ったのか▼小関さんの知人に腕自慢の溶接工場の親方がいる。手間暇かかる仕事ばかりを引き受けてきた人だ。「もっと上手にもうけることもできたが、晩酌がまずくなっただろう」と語ったという。不正に関わった人たちの晩酌の味はどうだろう。

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