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倉敷の男性が戦闘機「飛燕」落札 “帰国”の機体「復元したい」

落札した「飛燕」のほとりに立ち「日本の技術を伝える遺産として復元したい」と語る武さん

旧日本陸軍の三式戦闘機「飛燕」(川崎重工業提供)

 今秋ネットオークションに出品され話題になっていた旧日本陸軍の戦闘機「飛燕(ひえん)」を、倉敷市広江でオートバイ部品の製造販売会社を経営する武浩さん(53)が落札、30日に納品された。太平洋戦争の南方戦線で任務中に胴体着陸したらしく、主翼や胴部が大きく破損しているが、エンジンなど機体のほとんどが残された状態で、武さんは七十数年ぶりに“帰国”した機体を前に「自分たちの手で復元し、いつか多くの人に見てほしい」と意気込んでいる。

 機体はパプアニューギニアのジャングルで発見され、1970年代にオーストラリアのコレクターが入手した。今年10月、愛媛県の代理人を介してオークションサイト「ヤフオク!」に出品。川崎重工業製オートバイのレストア(復元)やドレスアップを手掛ける武さんが、原点ともいえる川崎航空機工業(現川崎重工業)が開発した「飛燕」を「何とか日本に戻したい」と入札。1500万円で落札した。

 国内に現存する「飛燕」は他に、日本航空協会(東京)が所有する1機のみで、経済産業省の近代化産業遺産群に認定されている。同機を収蔵する「かかみがはら航空宇宙科学博物館」(岐阜県各務原市)によると、当時の日本では数少ない液冷エンジンを搭載した軍用機で、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)などの空冷エンジン搭載機に比べ、スマートで流麗なデザインが特徴という。同博物館の島崎芳雄学芸員は「貴重な機体が日本に戻るのは喜ばしい」と歓迎する。

 機体は30日、コンテナに収められて倉敷に到着。武さんは今後、オートバイでの経験を生かして復元に取り組む。「日本の機械技術の歴史を伝える“証人”として憧れの存在だった。かつての姿を取り戻したい」と話している。

 飛燕 正式名称は「三式戦闘機」。ドイツの戦闘機「メッサーシュミット」の液冷エンジンをライセンス生産した「ハ40」を搭載し、1943年に採用。速度と運動性を両立させた戦闘機として約3千機が生産され、フィリピンやパプアニューギニア戦線に投入された。しかし、動力系統の故障に悩まされ、45年には空冷エンジンに変更した「五式戦闘機」も登場。「飛燕」とともに本土防空戦に当たった。
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