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ツキノワグマ17年ぶり狩猟解禁 岡山県、初日は目立った動きなし

くくりわなで捕獲されたツキノワグマ=15日午前9時14分、美作市川上

 鳥獣の狩猟が15日、全国で解禁され、岡山県内の猟場にもシカなどを狙ってハンターが訪れた。県はツキノワグマ猟を17年ぶりに解禁したが、出没情報が多い作州地域などで、目立った猟の動きは見られなかった。

 作州地域では狩猟解禁初日、地元猟友会などにクマ猟に出た人の情報は入っていない。いずれの地区のメンバーも「クマ猟経験者は少なく、狙う人はいないだろう」と口をそろえた。

 美作市では県猟友会大原分会のメンバーら13人が15日朝、猟犬を連れ、散弾銃やライフル銃を手にして狩猟に出発。シカやイノシシをターゲットに同市大原地区や東粟倉地区の山に入った。芳賀宜毅会長(75)は「クマ猟解禁だが、専門で撃つ人はいないだろう」と話した。

 美作市川上の県道沿いの山林では、ツキノワグマ1頭がシカやイノシシ用のくくりわなで捕獲された。県などによると、雌で体長1・3メートル、体重80キロ。同日午前8時ごろ、地元猟友会メンバーがわなに掛かっているのを発見した。

 県美作県民局勝英地域事務所の職員が麻酔銃で眠らせた。民家から遠い所で見つかり、初めて捕獲された個体でもあるため殺処分の対象外と判断し、個体を示すタグと行動範囲を把握する衛星利用測位システム(GPS)を取り付けた首輪をはめて山奥に放した。

 10月末時点で、誤って有害鳥獣用のわなに掛かる「錯誤捕獲」2件、出没8件を数える真庭地区猟友会の管内(真庭市、新庄村)。人や農作物などの被害につながる状況ではないと判断し、狩猟や専用のわなの設置といった特別な対応は取らない方針という。多久間明会長(77)は「クマ猟には危険が伴い、散弾銃では仕留めることも難しい。会員には山中で見つけても刺激しないよう声掛けしている」と話す。

 津山市の県猟友会加茂分会では上高俊幸会長(69)ら2人が午前中、同市加茂町の河井地区から楢井地区までの猟場を車で巡回した。上高会長は「クマを狙う人はいないだろうが、今週末から狩猟者が増えると思う」と話し、安全な狩猟を呼び掛けた。

 このほか新見市でも、市が把握する限り、15日にクマ猟に向かう人の情報はなかったという。

■人的被害防止で再開踏み切る

 県内のツキノワグマの出没件数が2016年度に237件と過去最多となる中、県は人的被害防止の観点などから狩猟の再開に踏み切った。

 狩猟期間は12月14日までの30日間。乱獲を防ぐため、法定期間(来年2月15日まで)より大幅に短くし、捕獲頭数も国のガイドラインに沿って年30頭を上限とした。

 県内に生息するツキノワグマは1991年、環境省のレッドデータブックで絶滅の恐れがある個体群に指定。県は2000年度に狩猟を全面禁止した。しかし、ここ数年は生息数が増え、16年末の推定値は205頭と、調査を始めた12年末(109頭)の約2倍に急増している。

 17年度の出没件数は10月末までで105件と、前年度同期の190件を大きく下回っている。今年は主食のドングリ類が豊作だったため、集落などへの出没が減っているとみられる。

 ただ、生息数自体は増えており、伊原木隆太知事は15日の定例会見で「ツキノワグマは食害だけでなく人にも危険が及ぶため、狩猟を解禁した」と述べた。

 同じ生息エリアの兵庫県は昨年、20年ぶりに狩猟を解禁し、4頭を捕獲している。

■違反行為の取り締まり開始

 県警は15日、猟銃の適切な使用の呼び掛けと違反行為の取り締まりを始め、初日は県内22署の警察官約200人が各地の猟場に出動した。県警生活安全企画課によると、県内では10月末現在、約2200人が計約4千丁の猟銃を所持。昨季は猟銃を適切に保管していなかったとして1人を摘発している。
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