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「ベラルーシの将棋熱」

 ミンスクの大会には大勢の子どもたちが参加

 「日本以外で、一番将棋が指されている国は?」と最近よく聞かれます。1位は間違いなく中国でしょう。学校教育で将棋が始まって20年がたち、将棋を授業に取り入れている小中学校は上海だけでも30校以上あると聞いています。

 私が一番注目しているのはベラルーシです。今年のヨーロッパ選手権の決勝がベラルーシ対決だったということは、以前の本コラムに書かせていただきましたが、他にも注目すべきプレーヤーが続々と出てきています。

 この原稿を書いている2017年10月現在、ヨーロッパ将棋連盟(FESA)のウェブサイトには、ベラルーシの選手として362人が掲載されています。この人数は次に多いロシアの181人に2倍の差をつけてトップです。

 その理由は、子どもたちに将棋が広まっていることです。

 私がベラルーシのミンスクを訪れたのは13年のヨーロッパ選手権でした。当時は短期滞在でもビザが必要で、ベラルーシに関する情報も少なく、入国の際にいつも以上に緊張したことを覚えています。

 巨大な建物と広い空間で、どことなく近未来的な印象のミンスクの街。美しい緑地の隣にある青少年センターで行われた大会には、子どもたちが大勢参加しました。

 みんな将棋が大好きで、時間さえあれば駒を持ち、私と目が合えばすぐに「Play Shogi!」と対局を申し込んできます。

 日本からこんなに離れたところで、これほどまで将棋が愛されていることに胸が熱くなりました。

 その将棋熱はリセンカ兄弟という指導者が源になっています。

 技術的な指導は弟のセルゲイさん、写真撮影や情報発信は兄のアンドレさんという形で協力し合いながら、大会をうまく盛り上げています。

 年齢を細かく分けてそれぞれの年代で賞を与え、表彰式には笑顔の子どもたちがたくさん並びました。

 そんな中で、この年の世界チャンピオンとなったのは日本人の小学生、伊藤匠君でした。

 彼はこの後、奨励会に入ってプロを目指すことになるのですが、小柄な少年が強豪の大人たちを次々と倒していく姿は、ベラルーシの人々に強烈な印象を残したに違いありません。

 あれから4年。いつもインターネットで様子を見るのを楽しみにしています。リセンカさんたちのアップしてくれる映像で、子どもたちの活躍と将棋クラブの成長を感じながら再訪を心に誓うのでした。(北尾まどか)

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