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米田和が古里倉敷で初の九谷焼展 「水墨調の絶妙な筆致」80点

初めての里帰り展会場で「積み重ねてきた成果を見てほしい」と語る米田さん

 水墨画を思わせる墨色の絵付けを施した花器を得意とし、「日本伝統工芸展」でも受賞経験を持つ倉敷市出身の九谷焼作家米田和(67)=石川県能美市=が、倉敷市玉島中央町の遊美工房で、初の“里帰り展”を開いている。

 「玉島にこんなところができていたなんて」。江戸時代の町家を改装したギャラリー内を興味深そうに見回す米田さん。歴史が息づく空間と調和を見せるのが、ふくよかな曲面が目を引く「黒描鳥花文壺(つぼ)」や余白を絶妙に生かした「黒描鳥花文角皿」など、モノクロームを基調にした約80点の作品だ。

 白化粧を施した器肌に、黒い鉄釉(ゆう)を含ませた筆で花鳥を一気に描き上げる。2014年に日本伝統工芸展の朝日新聞社賞に選ばれた際の審査で「水墨調の絶妙な筆致」と絶賛された技法を支えるのは、倉敷での青春時代に磨いた画家としての感性だという。

 幼いころから美術好きの母に連れられて大原美術館に通い、玉島東中、県立玉島高では美術部に在籍。卒業後は地元企業に就職したものの、画家を目指し20歳で退職。京都市の関西美術院でデッサンと洋画を学んだ。結婚を機に石川県に転居したが、創作への思いは断ち切れず、2人の娘を出産後の20代後半から陶芸への道を歩み始めた。

 「五彩手」と呼ばれる鮮やかな色絵で知られる九谷焼を学びながら、あえてモノクロームの美を追究するのは「幼い時から古今東西の美術に親しんだからこそ、伝統に縛られない独自の表現に挑めた」と米田。夢を追い倉敷を後にして約50年。「個展を通して、古里への恩返しができればうれしい」とほほ笑む。

 同展は15日まで。
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