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倉敷芸科学大卒業生がガラス展 個の華咲かす次代の担い手たち

石川昌浩(左)はコンセプチュアルな塊、中原司は自由な造形を発表。ガラスの多様性を印象づける=加計美術館

 倉敷芸術科学大ガラスコースの卒業生が、加計美術館(倉敷市中央)で初の合同里帰り展を開いている。コップ一つとっても、色や模様の向こうが軽やかに透けるもの、手に重みとぬくもりを残すもの…と、変幻自在なガラス工芸・芸術。次代の担い手たちが集う会場には、22年かけて育てた華が個性豊かに咲きこぼれている。15日まで。

 ガラスの専門課程がある全国12大学のうち、同大は1995年、多摩美術大に次いで船出。これまで倉敷ガラス創始者・小谷真三さんら4人が300人以上を教えてきた。開学時から務める磯谷晴弘教授によると、一時は教員3人体制で各学年40余人を指導する盛況ぶりで、よく他大学から驚かれたそうだ。

 倉敷の風景にガラスあり。そんなイメージの柱となってきた同大だが、現在コース履修生は2学年の計7人。同展は、今こそ物づくりの妙味を再発信しよう―と磯谷教授が呼び掛け、初回は岡山県内で作家活動するほぼ全員の21人が「ステンドグラス以外全ての技法を網羅する」(同教授)ほど多様な作品で応えた。

 中堅と呼ばれる年齢になった1期生は、民芸の流れをくむ石川昌浩が石に見える塊・硝文(いしぶみ)、金属との融合を図る中原司が動感あるオブジェで好対照。古代メソポタミア由来の技を用いる2人、石田彩がシックな碗(わん)を切り子で飾れば、岡田多恵は型抜きで和のロマンチシズムをうたった。後輩たちも伸びやかなアクリル彩、光を揺らすレース文、濡れた表情が独特なウランガラスなどで競い合う。

 陶芸などと違い特定の産地やブランドを持たないガラスは、分野を超えた新鮮味あふれる気風と、販路や知名度を一から築く難しさが抱き合わせになっている。「でも皆、大したもん。一つのひらめきから自分の世界を膨らませている」と、磯谷教授は目を細める。

 同展のテーマは、ガラスにほれた瞬間を表す「スイッチ・オン」。この素材に魅せられた卒業生たちが四方へ押し広げていく地平を、これからも共にわくわくしながら眺めたくなる。
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