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対決の構図 政策の違い 大いに議論を

 衆院選に向けて、与野党の対決の構図が固まり、主張がほぼ出そろった。9月末に安倍晋三首相が解散を表明すると、小池百合子東京都知事が希望の党を結成。野党第1党だった民進党は新党への合流組と立憲民主党に分裂した。政党の流動化で、政権与党と希望の党、立憲民主党をそれぞれ中心とする「三極」が選挙後の政界再編もにらんで激しくぶつかりあいそうだ。

 「台風の目」になった希望の党はきのう、公約を発表した。憲法に関しては「9条を含め改正論議を進める」と明記し、安全保障関連法についても「憲法にのっとり適切に運用する」と容認した。消費税増税の凍結や、2030年までの「原発ゼロ」実現も盛り込んだ。

 選挙戦では、こうした主要な争点を巡って与野党の論戦が展開される。アベノミクスの経済政策や「安倍1強」と呼ばれる政治スタイルへの是非も問われよう。有権者は各政党の政策の違いをしっかり見極めることが大切だ。

 自民党は公約で、改憲への意欲を前面に打ち出した。挑発を繰り返す北朝鮮の脅威と少子高齢化を「国難」とし、教育無償化など「人づくり革命」も掲げた。新党について安倍首相は「ブームからは何も生まれない」とけん制。ただ突然の解散による公約の急ごしらえ感は否めず、党内論議の積み上げも不十分だ。改憲では連立を組む公明党が慎重姿勢を崩していない。

 希望の党は、小池氏を支持する地域政党が圧勝した7月の都議選の再来を狙う。前原誠司代表との合意で民進党が合流し、巧みに「政権選択選挙」のムードを作り上げた。連携する日本維新の会とは、東京と大阪で候補者のすみ分けを図るなど、200人を超える公認候補を確保した。

 だが小池氏の、合流組に憲法と安全保障で踏み絵を迫る「排除の論理」がどう有権者に映るかは不透明だ。公約も具体性を欠く印象である。自らの出馬を固辞するのなら、早急に首相候補を示す必要があろう。

 一方で、選挙区の候補者調整では、自民党の有力者や公明党に配慮を見せており、選挙後の連携の余地も残している。獲得議席によっては、政権奪取のため政界再編に動くつもりなのだろう。

 枝野幸男元官房長官ら民進党のリベラル系が結成した立憲民主党は、民進党の綱領などを踏襲する。憲法9条への自衛隊明記反対などを掲げ、きのう第1次公認候補を発表した。希望の党を「自民党の補完勢力」とみる共産党や社民党とは多くの選挙区で候補者が一本化される。

 希望の党などが勢いに乗って議席を伸ばすのか。野党が政権批判票を奪い合い、共倒れとなるのか。短期決戦ではあるが、与野党は国民にしっかりと政策を主張し、突っ込んだ議論をすることが何より肝心だ。準備不足は言い訳にならない。

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