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社長が「うちのエース」と呼ぶ社…

 社長が「うちのエース」と呼ぶ社員は自閉症の青年だ。商品製造のリーダーで、高い集中力で小さな傷も逃さず検品する。こだわりの強い障害の特性が逆に強みとなっているようだ▼チョーク製造の日本理化学工業(川崎市)のことである。国内シェアが50%超のトップメーカーで、約80人の社員の7割が知的障害者というユニークな企業でもある。「彼らが持っている研ぎ澄まされた能力が会社を支えている」と社長は言う(小松成美著「虹色のチョーク」)▼同社が近年、書籍などで紹介され注目される背景には、障害者雇用の難しさがあろう。従業員が50人を超す企業はその2%以上の障害者を雇う義務があるが、達成しているのは全国、岡山県内ともに約半数にすぎない▼この雇用率が来年4月、2・2%に引き上げられる。障害者雇用の促進へ、厚生労働省は研究会も立ち上げた▼日本理化学工業が初めて障害者を雇用したのは60年近く前だ。養護学校卒業後に入社して定年まで勤めた人もいる。その間、作業工程の改善を重ねた。例えば、原料ごとに容器のバケツの色を変え、間違わないようにする。時計が読めない人のために砂時計も置いた▼「どうしてできないんだ」ではなく「どうすればできるんだ」と考える。受け継がれてきた姿勢が障害者の隠れた能力を引き出す秘訣(ひけつ)だろう。

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