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備前刀に“刀剣女子”が熱い視線 岡山の特別展で入館者の半数迫る

備前刀を鑑賞する女性たち。会場は静まり返っていた

 岡山県立博物館(岡山市北区後楽園)で開催中の特別展「備前刀―日本刀の王者―」(県教委など主催、山陽新聞社共催)が若い女性でにぎわっている。9月中旬に初めて開いた女性限定の備前刀鑑賞会は、応募が定員の2・5倍に達し、入館者に占める女性の割合も半数に迫るとみられ、「かつてなく高い状況」(同館)。前回(2008年)の日本刀の特別展では見られなかった“刀剣女子”ブームを背景に、期間中(9月8日~10月15日)の入館者数は1万人を突破し、過去10年で最高を更新する勢いだ。

 カメラを構えるのも気が引けるほど神聖な空気が満ちていた。女性たちは静かに一礼すると、右手で刀の根本(茎(なかご))をつかみ、刀身の姿や反りを眺める。左手の白布に刃を寝かせ、角度を変えながら地金に見入る。ルーペで、刃文の繊細な模様を観察する。まなざしは皆真剣そのものだ。

 9月16日。同館講堂で行われた女性限定の鑑賞会には、東京や埼玉、奈良など全国から応募のあった98人のうち抽せんで絞られた40人が出席。10人ずつのグループに分かれ、重要美術品「太刀 銘 正恒」など、平安末期から江戸前期までの5振りを、1人持ち時間3分で手にとった。

 「持ってみると想像以上に重かった。千年近くも前の名品に触れられ、備前刀にますます興味が湧いた」と初体験の岡山市中区、公務員女性(24)。東京都板橋区から訪れた会社員女性(27)は「刃文がきめ細やかな備前が一番好き。東京ではめったに見られないので、思い切って来てよかった」と笑顔を見せた。

 備前刀のファン層を広げようと初めて企画した鑑賞会は、女性、中高生、男性に分けて募集。すると女性の会だけが募集開始から1週間で定員を上回る人気となった。

 同館によると、前回の特別展「赤羽刀と備前刀」をはじめ、普段の入館者の大半は年配の男性が占める。今回は「女性の比率が圧倒的に高く、特に20~30代くらいが目立つ。入館者の半分以上が女性の時間帯もある」という。

 入館者数は3日までに6846人。今の好ペースが続けば、過去10年で最多を記録した「昭和モノ語り 人々のくらしと岡山」(12年)の1万877人を超える可能性もある。

 同館の山田寛人館長は「今まで手薄だった若い女性層に足を運んでもらえており、ありがたい。女性デーなど博物館の敷居を下げる企画づくりに知恵を絞り、幅広い世代のニーズに応えていきたい」と話している。
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